LGエレクトロニクス、生成AIで24時間アフターサービス 国内家電業界初

2025年12月16日、LGエレクトロニクス・ジャパンは、生成AIを活用したチャットボットによるアフターサービス対応を国内で本格提供すると発表した。
公式サポートページ上で、24時間365日の問い合わせ対応を行う。
LG、生成AIでアフターサービス対応を本格化
16日、LGエレクトロニクス・ジャパンは、公式サイトのサポートページにおいて、生成AIを用いた「LG Chatbot」の提供を開始したと発表した。
生成AIを用いたチャットボットサービスをアフターサービス目的で提供するのは国内家電業界で初めて(2025年12月10日時点、LGエレクトロニクス・ジャパン調べ)としている。
従来は、あらかじめ用意された選択肢をたどるシナリオ型チャットボットを提供してきたが、新システムでは文脈理解を伴う自然な対話が可能になった。
購入製品や過去の問い合わせ履歴を踏まえた回答も行えるため、問い合わせ履歴や購入製品情報などに基づくパーソナライズ対応により、より手間なく困りごとの解消につながるとしている。
このチャットボットは、日本国内だけでなく、世界各国の問い合わせデータや製品マニュアル、公式オンラインショップ情報を学習している。
その結果、各製品の問い合わせやトラブルシューティングのほか、取扱説明書や保証情報の確認など幅広い問い合わせに対応し、24時間365日のサポート体制を提供するとしている。
利便性とリスクの両立が問われるAIサポート
LGによる生成AIチャットボットの本格提供は、生成AIを活用してアフターサービスの提供体制を拡充する動きの一例となるだろう。
時間帯や混雑に左右されないサポート環境が整い、購入製品や履歴を踏まえた応答が可能になれば、顧客体験の底上げにつながるとみられる。
人手不足が進む中、業務効率化の観点でも一定の効果が期待できる。
一方で、生成AI特有の課題も残る。学習データの更新が追いつかなければ、例外的な不具合や安全性に関わる問い合わせに十分対応できない恐れがある。
誤った案内がトラブルを招くリスクも否定できず、有人対応への適切な切り替え設計が不十分な場合、利便性向上が不信感につながる可能性も考えられる。
今後は、FAQ対応にとどまらず、故障予測や使い方提案など付加価値領域へ広がる展開が想定できる。
ただし、そのためには回答精度の検証や責任範囲を明確にするガバナンス設計が欠かせないだろう。
生成AIと人の役割分担をどう設計するかが、家電メーカー間の競争力を左右する要素になっていくとみられる。
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