ホットリンク傘下のNonagon Capital、INTMAXでブロック・ビルダー運用を開始 プライバシー重視の次世代ブロックチェーンに参画

ホットリンクグループの投資子会社Nonagon Capitalは、スイス発のプライバシー重視ブロックチェーン「INTMAX」でブロック・ビルダー運用を開始した。
ゼロ知識証明を活用し、透明性とプライバシーの両立を目指す取り組みが始まっている。
INTMAXが描く「透明性とプライバシーの両立」 Nonagonが運用参画
11日、ホットリンクグループの投資会社である合同会社Nonagon Capital(米国サンフランシスコ・ベイエリア)は、スイス発のプライバシー重視ブロックチェーン「INTMAX」においてブロック・ビルダー(ノード)運用を開始した。
INTMAXは、Ryodan Systems AGが開発した独自プロトコルであり、ゼロ知識証明(※)を活用することで高い処理性能とプライバシー保護を両立する設計となっている。
ネットワーク上では「プライバシー・マイニング」と呼ばれる仕組みにより、個人や企業が他者のデータを保護する貢献行動を行うことで報酬を得られる点が特徴だ。
同社は、こうした技術的特性と社会的意義に注目し、インフラ層からの支援を目的にINTMAXのノード運用を開始した。
Ryodan Systemsは2025年8月、日本企業2社との共同実証を発表しており、ゼロ知識証明を用いたデータセンター事業モデルの確立やIoTデバイス連携などを検証中である。
ブロックチェーンにおける透明性は信頼性の基盤である一方、取引履歴の追跡可能性が個人情報の露出につながる懸念もある。
イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏も「透明性とプライバシーの両立こそが持続可能な社会インフラの鍵である」と繰り返し指摘しており、INTMAXは、そうした課題に対する有力な解決策として今後さらに注目を集めていくと考えられる。
※ゼロ知識証明:取引や情報の正当性を、実際の内容を開示せずに証明する暗号技術。
プライバシー技術が拓く新たなWeb3インフラの形
INTMAXのようなプライバシー重視型ブロックチェーンは、Web3の信頼基盤を次の段階へと押し上げる可能性がある。
ゼロ知識証明による非公開処理は、医療や金融といった高秘匿性が求められる分野に新たな活用余地をもたらし、企業にとっても安全かつ柔軟なデータ連携を実現する道を開くだろう。
特に、情報の開示範囲を選択できる仕組みは、AIやIoTが絡む複雑なデータ取引の信頼性を高める点で注目できる。
一方で、匿名性が高まるほど、マネーロンダリングなど不正利用のリスクは避けられないと考えられる。
透明性と秘匿性の両立を図るには、技術進化だけでなく、KYC(本人確認)やAML(資金洗浄防止)に関する制度整備が欠かせないだろう。
今後は、Nonagon Capitalのように海外の運用ノウハウを日本市場へ還元しながら、プライバシーを“守る”だけでなく“設計する”発想が主流になるとみられる。
規制と革新の調和が適切に図られれば、日本発のWeb3基盤が国際的な信頼モデルとして台頭するかもしれない。
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