Ginco、Canton Network参画で金融機関のブロックチェーン活用を支援

5日、株式会社Ginco(東京都中央区)は、金融機関向けプライバシー対応型ブロックチェーン「Canton Network」にノードバリデータとして参画した。
これにより、国内金融機関のブロックチェーン導入支援を一層強化する方針だ。
Canton Networkの特性を活かし、金融機関の導入支援を推進
5日、株式会社Gincoは、金融機関向けプライバシー対応型ブロックチェーン「Canton Network」にノードバリデータとして参画したと発表した。
Gincoは、企業や金融機関向けにブロックチェーンインフラを提供する国内有数のプロバイダーであり、これまでに数多くのノード運営やAPI提供を手がけてきた。
今回同社が参画する「Canton Network」は、世界の大手金融機関が参加するパブリックかつパーミッションレス(※)なブロックチェーンネットワークである。
Canton Networkは「プライバシー」「コンプライアンス」「スケーラビリティ」を重視して設計され、従来、金融機関によるパブリックチェーン活用の障壁となってきた制約の克服を目指す。
すでにゴールドマンサックス、HSBC、BNPパリバなどが参画しており、分散型金融と既存金融をつなぐグローバルなインフラとして注目されている。
Gincoは、国内での金融機関向けパブリックチェーン活用を推進してきた実績を活かし、今回の参画を通じてCanton Networkを活用したユースケース創出を支援する。
これにより、国内金融機関が海外のトレンドを踏まえたパブリックチェーン活用を検討する際の支援が強化される見通しだ。
※パーミッションレス:特定の許可を必要とせず、誰でもネットワークに参加できるブロックチェーンの設計思想。
金融実装と制度整備が鍵 Canton Networkの国内定着に向けた展望
Canton Networkの採用によって、金融機関がブロックチェーンを安全に活用できる環境が整う可能性がある。
最大の利点は、パブリックチェーン特有の透明性を保持しながらも、機密情報を個別管理できる設計により、実業務でのリスクを抑制できる点だろう。
これにより、金融商品や取引データを扱う企業でも安心して分散型技術を導入できるようになると見られる。
一方で、Canton Networkは高度な構造を持つがゆえに、導入時の初期投資や運用コストが課題となる可能性がある。
また、既存システムとの統合や、グローバルな法制度との整合性確保にも時間を要することが予想できる。
特に金融分野では、セキュリティとコンプライアンスの両立が欠かせず、制度的な支援体制の構築が鍵を握りそうだ。
今後は、Gincoがバリデータとして得る知見をもとに、国内での実証やユースケース開発が進展する見込みである。
証券トークンやデジタル債券の活用が広がれば、金融業界におけるブロックチェーンの実用化が一段と進む可能性もある。
国際的な相互運用の枠組みを通じ、海外金融機関との新たな連携モデルが形成されていくことにも期待したい。
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