NEC、AIガバナンスサービス3種を提供 Ciscoと連携しAIリスク低減を支援

NECは、Ciscoと連携し、AIセキュリティに対応する新たなAIガバナンスサービス3種の提供を発表した。AIエージェント時代に対応した包括的なリスクマネジメント支援を目的とする。
NEC、Ciscoと協業しAIリスク対策を強化 3種のAIガバナンスサービスを提供
12月2日、日本電気株式会社(NEC)は、シスコシステムズ合同会社(Cisco)が提供する「Cisco AI Defense」と連携したAIガバナンスサービス3種を、本年12月より提供開始すると発表した。
これらのサービスは、AI活用を進める企業や自治体向けに、AIガバナンス体制の構築と運用を支援する新サービスだ。
新サービスは「AIシステムリスクアセスメント」「AIガバナンスプラットフォーム導入」「AIリスクモニタリング」で構成され、NECのコンサルティング機能とCiscoのAIセキュリティソリューション「Cisco AI Defense」(※)を組み合わせたものとなる。
AIエージェントの普及により、誤情報出力や著作権侵害、外部ツール連携による誤作動などの新たなリスクが顕在化している。
従来のサイバーセキュリティ対策では網羅的対応が難しく、透明性や公平性を確保するAIガバナンスの重要性が高まっている状況だ。
NECは2019年に「AIと人権に関するポリシー」を策定し、内部規定やリスク管理マニュアルを整備してきた。
今回の新サービスは、同社が培ったノウハウにCiscoの技術を組み合わせ、AIセキュリティにおける発見・検出・保護の各フェーズで生成AIのリスク低減を図るものだ。
販売価格は500万円(税別)からで、最低価格は1メニューのみの場合としている。
※Cisco AI Defense:Cisco Systemsが提供するAIセキュリティソリューション。
生成AIリスク対応の新たな指針に 公平性と安全性の両立を支援
NECの新サービス群は、企業がAIを安全に活用するための「技術と運用の橋渡し」として機能する可能性がある。
生成AIの利用拡大に伴い、誤出力やデータ流出への懸念が強まっているため、AIリスクを可視化し、継続的に監視する仕組みの需要が一段と高まるとみられる。
メリットとして、AIガバナンス体制を整備することで、規制対応や社内統制の効率化が進むことが期待できる。
またCiscoの「AI Defense」を活用することで、AIモデルの動作を解析し、不審な挙動を早期に検出できるようになる可能性もある。
一方で、AIリスク管理には導入コストや専門人材の確保といった課題が残るかもしれない。
AIエージェント社会の成熟に向け、NECが国内のガバナンス標準化を牽引する動きも今後注目されそうだ。
NECは今後、自社AI技術「cotomi」を中核に据えたソリューション展開を強化し、企業のAI利活用を安全に支える基盤整備を進めていくとみられる。
AIエージェント社会の成熟に向け、国内でのガバナンス標準化をリードする存在となる可能性も高いだろう。
関連記事:
NEC、Agentic AIで営業支援ソリューション提供 営業DX後押し

NEC、生成AI「cotomi」とAgentic AIでセキュリティ業務を自動化 新サービスを2025年度上期より順次提供へ

NEC、国産生成AI活用でサイバーセキュリティ約95%自動化












