AIが買い物をサポート Perplexityがショッピング機能を全面刷新

2025年11月18日、米AI企業PerplexityはAI搭載ショッピング機能を全面刷新し、米国ユーザー向けに公開した。
記憶機能やパーソナライズ、商品カードなどを強化し、ブラックフライデーを前に新しい購買体験を打ち出した。
AIが最適商品を提示 Shopify連携と決済機能で購買をサポート
Perplexityは18日、AIがユーザーの会話履歴をもとに最適な商品を提案するショッピング機能を公開した。
従来の検索型ECとは異なり、質問に対する回答から直接購入に進めるのが特徴である。
新しい「商品カード」には価格や主要スペックが視覚的に整理され、スポンサーを伴わない中立的なおすすめが表示される。
今回の刷新では、Shopifyと連携し、同プラットフォーム上の最新商品情報を取得可能にした。
画像検索機能「Snap to Shop」では、撮影した写真から類似商品を即座に提示する。
さらに、決済面ではPayPalとの提携を通じて支払いまでを支援する仕組みを整備した。
また、有料版ユーザー向けにはワンクリックで購入できる「Buy with Pro」機能を導入。配送先情報を登録すれば、対象店舗の商品をPerplexity上で完結して購入できる。
企業向けには「Merchant Program」も開始し、商品データをAIに共有することで、検索・推薦精度を高める取り組みを進めている。
AIが“購買エージェント”へ進化 信頼性と透明性が次の焦点
PerplexityのAIショッピング刷新は、個々の嗜好を理解し最適な提案を行う点で、購買行動の新たな潮流を生み出す可能性がある。
利用者は検索の手間を減らし、AIに任せることで発見的な買い物を楽しめるようになるだろう。
ブランド側にとっても、AIを通じた顧客接点が増えることで、マーケティングの高度化が進むと考えられる。
一方で、AIの推薦精度が上がるほど、特定ブランドへの偏りや情報の不透明性が課題として浮上する恐れがある。
学習データの出所が限定されれば、アルゴリズムの公平性や多様性が損なわれるリスクも否定できない。
また、企業がAIO(AI最適化)を競う中で、プラットフォーム依存が強まる可能性も指摘されそうだ。
今後は、AIが単なる検索補助ではなく、価格比較や在庫確認、さらには自動購入まで担う“購買エージェント”へ発展することが見込まれる。
その際には、推薦の透明性や説明責任をどう確保するかが焦点となるだろう。
AIが購買行動のインフラとして定着する過程で、利便性と倫理性の両立を図る動きが広がっていく可能性がある。
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