鳩山町がAI冠水判定を導入 アーベルソフトの「ビューちゃんねる」運用開始

2025年11月17日、アーベルソフト株式会社(埼玉県坂戸市)は、生成AIによる冠水判定機能とLINE通知を組み込んだ防災情報サービス「ビューちゃんねる」を、埼玉県鳩山町で社会実装したことを発表した。同サービスは10月15日から同町で提供が開始されている。
鳩山町の河川監視にAI冠水判定と通知機能を導入
アーベルソフトは2025年10月15日より、鳩山町で「ビューちゃんねる」の最新バージョンの提供を開始した。
同サービスは、IPカメラで取得した映像を生成AIが解析し、冠水の可能性を自動判定する仕組みを備えている点が特徴である。
判定結果はLINEを通じて通知され、関係者が状況を把握しやすくなる仕組みとなっている。
背景には、近年の局地的豪雨や台風による水害リスクの増加を受け、自治体で迅速な情報把握の必要性が高まっている状況がある。
ビューちゃんねるは2021年に埼玉県毛呂山町で正式リリースされ、既に複数自治体で採用されてきた。
従来は住民が映像を閲覧できる仕組みが中心だったが、AIによる冠水状況の自動判定が追加され、より効率的な情報提供が可能になったとしている。
鳩山町役場では11月6日に町長とアーベルソフトが共同記者会見を実施し、地域の水害リスク低減に向けた取り組みとして発表した。
AIが映像を自動解析することで、自治体の監視業務を補完する仕組みとして活用が期待されている。
アーベルソフトは今後、鳩山町での実装を足掛かりに関東地方を中心とする自治体への展開を強化する方針だ。
AI防災の普及に追い風 自治体導入の利点と懸念点
AIによる冠水判定の導入は、自治体の業務効率化を後押しする利点があるとみられる。
映像の常時監視を職員が担う必要がなくなるため、災害時の初動判断が迅速になり、住民への周知もスムーズに進む可能性がある。
LINE通知のような日常的なチャネルを活用することで、高齢者を含む住民が情報を受け取りやすくなる点も強みと言えるだろう。
一方で、AIの判定精度向上には継続的な学習と運用データの蓄積が不可欠であり、誤判定が生じた際のリスク管理を求められる可能性がある。
また、監視カメラ映像を扱う以上、自治体として住民への説明責任やデータ保護の明確化が重要になるだろう。
技術導入が進むほど、運用ルールの整備が避けられない展開も想定できる。
AI防災の需要は全国で高まりつつあり、自治体の導入コストと運用負荷をどこまで抑えられるかが普及の鍵になると考えられる。
水害対策のデジタル化が一段と進む中、今回の事例が他地域にも波及する可能性は十分にあるだろう。
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