xStocksが米株トークン化で総取引高100億ドル到達

2025年11月12日、米暗号資産取引所クラーケンとトークン化企業バックドが提供する「xStocks」が、公開135日で総取引高100億ドルを超えたと公式Xで発表した。
米株やETFを24時間取引可能にする仕組みを備えている。
公開135日で10Bドル超 xStocksの取引状況
株式トークン化プロダクト「xStocks」の取引規模が拡大している。
xStocksは、スイスの資産トークン化企業バックド(Backed)と米取引所クラーケン(Kraken)が共同で構築したサービスで、米国主要企業の株式やETFをデジタルトークンとして発行している。
これらのトークン化資産は実際の株式に1:1で裏付けられており、DeFi(※)上で24時間365日取引できる点が特徴だ。
発表によれば、総取引高100億ドル(約1.5兆円)超のうち約20億ドルがオンチェーンでの取引となり、オンチェーン保有者は4.5万人を超えたという。
運用資産残高(AUM)は1億3,500万ドルに達しており、公開から135日でこの水準に到達した。
さらにバックドは11月7日、バイビット(Bybit)およびイーサリアムL2「マントル(Mantle)」と提携し、マントル上でxStocksを提供する計画を発表した。
この提携によりマントル経由での入出金経路が追加され、利用者の選択肢が広がる構成となっている。
現在、xStocksはソラナ、イーサリアム、BNBチェーン、トロンと複数チェーンへ展開されている。
※DeFi:分散型金融。ブロックチェーン上で仲介者を介さず金融サービスを提供する仕組み。
市場拡大が呼ぶ変化 利便性向上と規制強化の両面が進む可能性
トークン化証券が広がる最大のメリットは、金融市場へのアクセス性が大幅に向上する点になるとみられる。
xStocksは米株への投資を24時間可能にするため、既存市場の取引時間に縛られない柔軟な売買が実現していく見通しだ。
複数チェーンへの展開や入出金経路の多様化が進めば、流動性が一段と増し、個人・機関双方の参加者が増える展開も期待できる。
一方で、金融資産のトークン化が急速に進むことで、規制当局が監督枠組みの再整備を迫られる局面も予想できる。
特に、トークン保有者の権利保全や市場操作リスクへの対処は避けて通れない課題となるだろう。
オンチェーン取引が増えるほど透明性は高まるが、デジタル資産の特性上、新たなリスクが浮上する可能性も残る。
今後は、証券型トークンの国際的な扱いが明確化されれば、xStocksのようなプロダクトがグローバル標準として普及するシナリオも見込まれる。
市場の利便性向上と規制強化のバランスがどこに落ち着くかが、次の成長フェーズを左右するだろう。
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