Startale App公開 Soneiumのオンチェーン体験を一本化するスーパーアプリ

2025年11月11日、シンガポール拠点のStartale Groupが、Soneiumエコシステム向けのスーパーアプリ「Startale App」を発表した。Sony Groupとの合弁会社で開発を進めるEthereum系Layer-2基盤を活用し、オンチェーン体験を統合する新サービスである。
Startale、Soneium基盤の統合アプリでオンチェーン利用を簡素化
Startale Groupは、Soneiumエコシステムにおけるあらゆるオンチェーン体験を単一のアプリで完結させる「Startale App」を披露した。
同アプリはSony Groupとの合弁会社Sony Block Solutions Labsと共同開発しているEthereum Layer-2「Soneium」を技術基盤としており、ウォレット機能とさまざまなアプリへのアクセスを一つのインターフェースに統合する仕様で構築されている。
Soneiumはウィークリー1,000万件超のトランザクション、デイリー9万以上のアクティブアドレスを抱える成長中のエコシステムであり、Startale Appはその主要入口として機能する設計だ。
従来のオンチェーン体験では、複数ウォレットの管理や都度の接続、ガス代準備といった煩雑な操作が課題となってきた。
Startale AppはSNSアカウントでのログイン機能やガスレス設計を採用し、一般ユーザーがストレスなく利用できる環境を目指している。
アプリ内ではNFTやトークンの管理に加え、ゲームやアート、音楽など多様なMini Appsへのアクセスが可能になる。
利用者はアプリを切り替えることなく新しいサービスを楽しめ、トークン生成イベント(TGE)といった最新情報もリアルタイムで取得できる点が特徴だ。
Startale Appが描くWeb3ユーザー体験の行方
Startale Appの登場は、オンチェーン技術の一般利用を押し広げる契機になりそうだ。
ログインの簡略化やガスレス設計は心理的負担を軽減し、Soneium上のミニアプリ群を通じて、これまでWeb3に触れてこなかった層にも新しい体験をもたらすとみられる。
NFT管理からゲーム、コミュニティ参加まで一つのアプリで完結する設計は、スマートフォン初期に生まれた“スーパーアプリ”の潮流をWeb3領域にも引き寄せる動きとしても注目できる。
一方で、エコシステムが特定企業のアプリに寄りすぎれば、Web3が掲げる分散性との緊張が強まる懸念も残る。
ユーザー行動がStartale Appに集中すれば、開発者側もプラットフォーム依存を避けにくく、収益モデルの自由度が狭まる展開も考えられる。
今後は、Startaleが掲げるFarcasterとの統合や他チェーン対応が進めば、アプリ単体の枠を超えたユースケースが広がる可能性がある。
ユーザー獲得競争が激しさを増す中、どこまでシームレスな体験を提供しつつ、分散性との均衡を確保できるかが大きな焦点になりそうだ。
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