バイビット 韓国コービット買収協議が進展か

2025年11月10日、韓国メディア「メイルギョンジェ」は、取引量で世界第2位の暗号資産取引所バイビットが韓国の取引所コービット買収に向けた協議を進めていると報じた。
規制環境の変化を背景に、海外勢の韓国進出が現実味を帯びてきた。
バイビットが韓国の老舗取引所コービット買収を検討
「メイルギョンジェ」の報道によれば、バイビットは最近コービット経営陣と直接面談を行い、買収の初期プロセスに入った段階とされる。
最終的な決定には至っていないものの、業界内では「既定路線」との見方が強まっているという。
一方で、コービット側は「現時点でコメントできない」と回答している。
バイビットは2018年に設立された暗号資産取引所で、先物取引を中心とした取引体験の利便性を強みに急成長してきた。
対するコービットは韓国で最も古い暗号資産取引所のひとつで、ネクソンの持株会社NXCが60.5%、SKプラネットが31.5%の株式を保有している。
報道では、SKプラネットが暗号資産事業の整理を進めており、この持分売却が買収交渉の起点になっているとみられる。
韓国金融情報分析院(FIU)は10月、暗号資産取引所バイナンスによる韓国取引所ゴーパックスの経営陣変更申請を承認しており、海外取引所による韓国市場進出が現実的になりつつあると指摘されている。
韓国市場は取引量ベースで世界2位規模とされ、グローバル取引所にとって戦略的価値が高い地域と位置づけられる。
バイビット×コービット協議がもたらす市場再編シナリオ
バイビットによるコービット買収協議の報道は、韓国暗号資産市場の競争構造に変化をもたらす可能性がある。
メリットとしては、グローバル取引所の参入によって市場流動性が高まり、取り扱い銘柄の拡充やユーザー体験の改善が期待できる。
特に大手が加わることで、韓国国内のサービス品質が底上げされる展開も見込まれそうだ。
一方で、海外取引所が老舗企業を買収する際には、現地規制との調整や統合プロセスが複雑化し、移行期に混乱が起きる懸念も残る。
また、コービットが積み重ねてきたブランドへの信頼が揺らぐ可能性もあり、ユーザーの心理的なハードルが生じる場面も出てきそうだ。
今後の焦点は、SKプラネットやNXCによる持株売却の判断と、韓国金融当局が海外勢の進出をどこまで受け入れるかに移るとみられる。
FIUがゴーパックス案件を承認した流れを踏まえれば、海外事業者の存在感がさらに高まる可能性もある。
買収協議が具体化すれば市場再編が進む一方、規制姿勢によっては慎重な展開が続くかもしれない。
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