モブキャストHD、2.5億円超のSOL取得 Dawn Labsとバリデータ事業強化

2025年11月7日、モブキャストホールディングス(東証グロース)は暗号資産ソラナ(SOL)の追加取得を発表するとともに、Dawn Labsと戦略的提携を締結した。バリデータ事業へ正式参入する方針を示した。
モブキャストHDがSOL追加購入、Dawn Labsと戦略提携
モブキャストHDは10月24日〜11月6日にかけてSOLを追加取得し、累計保有枚数は9,070.05208461SOLとなった。
取得額は2億5,070万120円、平均取得単価は27,640円である。
資金の原資は10月3日に行使された第36回新株予約権による調達資金である。
同社は10月28日付の発表で、ソラナ・バリデータ(※)事業の早期立ち上げに向けて『10,000 SOL規模の保有体制を段階的に構築する』方針を示しており、今回の追加取得はその方針に沿うものとしている。
さらに同日、ソラナのバリデータ事業に関してDawn Labsとの業務委託契約を締結した。
これにより同社は、自社保有SOLの運用に加え、外部から預かったSOLを運用し報酬を得るビジネスモデルを本格化させる。
同社は将来的な目標として50万SOL規模の運用を掲げており、収益基盤の多角化を図るとしている。
提携先のDawn Labsは、Solana Foundationの委任プログラム(SFDP)に参加し、運用成績はグローバル上位10%に入る高実績を誇る。
代表の南雲悠太郎氏は東京大学在学中にソラナ・ハッカソンで3位に入賞し、外資系コンサルを経て独立した経歴を持つ若手起業家だ。
同社は今回の提携を通じ、Dawn Labsの技術・ノウハウを活用しつつ、ソラナエコシステムにおける事業拡大を進める構えである。
※バリデータ(Validator):ブロックチェーン上の取引検証・承認を行うノード運営者。
報酬として新規発行トークンや手数料を受け取る仕組み。
ノード運営拡大が試す、国内企業のブロックチェーン戦略
モブキャストHDによるソラナ・バリデータ事業への参入は、従来のIP事業依存から脱却し、安定した収益モデルを確立する第一歩となる可能性がある。
特に、ステーキング報酬によるストック型の収益構造は、市況変動に左右されにくいため、中長期的な収益基盤の強化につながると考えられる。
また、Dawn Labsとの協業は技術的信頼性を補完し、早期の安定運用を実現するうえで重要な役割を果たすだろう。
一方で、SOL価格のボラティリティやステーキング報酬の変動、ネットワークの混雑など、事業環境には依然として不確実性が残るとみられる。
加えて、ノード運用に伴うセキュリティリスクや法規制の変化も、長期的な経営リスクとして無視できない要素となりそうだ。
今後は、Dawn Labsとの協業体制を軸に、Solana Foundationとの連携を深めながら運用基盤を拡充できるかが焦点となるだろう。
もし同社が「10,000SOL規模」から「50万SOL規模」への段階的拡大を着実に進められれば、国内Web3事業の新たな成功事例として注目されそうだ。
モブキャストホールディングス「ソラナ(SOL)の取得状況に関するお知らせ」
モブキャストホールディングス「モブキャストHD、Dawn Labsと戦略的パートナーシップ締結 〜日本最大級50万SOL規模のバリデータ事業に向け基本合意、新たな収益源を創出へ〜」
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