ナッジカード、ステーブルコイン返済と推し活支援で注目の次世代クレカに

2025年11月4日、国内スタートアップの ナッジ株式会社が提供する次世代クレジットカード「Nudge(ナッジカード)」が、日経トレンディ誌による「2026年ヒット予測」で、「ステーブルコイン活用」と「推し活支援」の双方で選出された。
Nudgeカードが「ステーブルコイン返済」と「推し活支援」で評価
ナッジカードは、2025年8月に承認された国内初の円建ステーブルコイン(※1)「JPYC」をクレジットカードの返済手段として利用できる点が注目されている。
同カードは、世界最大のクレジットカードブランドのひとつであるVisa加盟店で、日常的な決済の後にJPYCで返済可能とする仕組みを提供する。
この取り組みが「ステーブルコイン」を日常生活で使えるシーンへ広げている点が評価され、「2026年ヒット予測」の第9位に選ばれた。
また、業界別予測のマネー部門では「推し活(※2)クレカ」という新潮流として、ナッジカードが選出された。
具体的には、利用額の一部がユーザーが応援する“推し”(クラブ、アーティスト、キャラクター等)に還元される仕組みや、カードデザインの多様化、決済通知音など“推し仕様”の体験も備えている点が支持された。
※1 ステーブルコイン:価格を法定通貨や資産に連動させ、価格変動を抑えるように設計された暗号資産。
※2 推し活:アーティストやキャラクター、スポーツチームなど“自分が応援する対象(推し)”に対して、グッズ購入・イベント参加などを通じて積極的に支援・貢献する消費活動。
ステーブルコインが切り拓く新たな決済エコシステム
ステーブルコインを返済や支払いの中核に据えた取り組みは、金融とエンタメをつなぐ新たな決済モデルの礎となる可能性がある。
特にJPYCの導入は、暗号資産を手放さずに日常決済へ流用させ、保有資産を「使う」フェーズへ進化させる契機になるとみられる。
さらに、ナッジカードが掲げる“推し活”支援の仕組みは、Z世代の消費心理と高い親和性を持ち、共感を軸にした新しい金融ブランド形成へとつながっていくと考えられる。
とはいえ、制度上の整備が進むまでには課題も多いとみられる。
加盟店や利用者のウォレット運用負担、既存クレジットシステムとの互換性など、社会実装には解決すべき課題も少なくない。
特に、法規制や会計処理の明確化が進まなければ、導入拡大にブレーキがかかる可能性もある。
今後は、ナッジカードが“応援”という感情価値を軸に、金融とファン経済をどこまで有機的に融合できるかが焦点となるだろう。
この試みが市場に定着すれば、ステーブルコインが実生活に溶け込む最初の成功事例となる可能性がある。
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