カシオ、AIと共創デザインのフルメタル「G-SHOCK」で次世代ウォッチ体験提供

2025年11月4日、国内のG‑SHOCKブランドを展開するカシオ計算機株式会社が、AIと人が共に設計したフルメタルモデル「GMW-BZ5000」を11月14日から発売すると発表した。
MIP液晶×AI共創外装で「5000」シリーズに革新
カシオ計算機は、G-SHOCK初号機のフォルムを受け継ぐ「5000」シリーズから、新たにフルメタルモデル「GMW-BZ5000」を投入することを発表した。
特徴の一つは、フルメタルモデルのG-SHOCKとして初めてMIP(メモリインピクセル※)液晶を採用した点である。
直射日光の下や斜めからの視認でも、画面が見やすい設計となっている。
表示レイアウトも日付・曜日・二都市時刻表示など4種が切り替え可能で、スマホ連携により「STANDARD」「CLASSIC」(7セグメント表示)といったフォントも選択可能である。
さらに外装設計では、40年以上にわたる耐衝撃データをもとに、生成AIによる荷重シミュレーションを繰り返し実施し、人とAIが協働する開発手法を採用した。
従来はベゼルがセンターケースを覆う構造だったが、新モデルでは両者が互いに挟み込むように結合する新構造を採用。
これにより、装着時のフィット感が大きく向上したという。
機能面では、ソーラー充電のみでMIP液晶を駆動可能とし、電波受信機能+Bluetooth®通信によるスマホリンク時刻修正機能を搭載。
型番およびメーカー希望小売価格は、GMW-BZ5000D-1が93,500円/GMW-BZ5000BD-1・GMW-BZ5000GD-9が102,300円(税込)で、11月14日に発売される。
※MIP(メモリインピクセル)液晶:液晶表示方式の一つで、各ピクセルにメモリを持たせることで、広視野角・高コントラスト・低消費電力を実現した表示技術。
AI共創がもたらす時計デザインの新時代
GMW-BZ5000は、時計業界における「AI共創デザイン」の先駆けとなる可能性がある。
AIが耐衝撃構造などブランドの核心領域に関与することで、設計精度の向上や開発効率の最適化が進むとみられる。
とりわけ、過去40年分のデータを解析して導き出される構造改良は、デザインと実用性の両立をさらに深化させることになるだろう。
一方で、AIによる自動設計が進むほど、ブランド特有の“人の感性”や造形美が薄まっていく懸念があると考えられる。
また、高価格帯ゆえに消費者が感じる期待値との乖離が、今後の評価を左右する局面も出てくるかもしれない。
さらに、AI設計に関する知的財産や生成過程の透明性といった倫理的課題が、今後一層議論を呼ぶ可能性もある。
今後は、GMW-BZ5000で確立されたAI設計手法がミドルレンジモデルや限定コラボなどへ展開されることで、G-SHOCK全体のブランド力が一層拡張していくとみられる。
その一方で、市場供給の過多が希少価値を損なうリスクも否定できず、今後のブランド戦略の舵取りが成否を分けることになるかもしれない。
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