FTX創業者SBF、控訴に暗雲 米控訴裁が主張を疑問視

2025年11月4日、米国ニューヨーク州マンハッタンの米連邦控訴裁判所が、暗号資産取引所FTX Trading創業者Sam Bankman‑Fried(通称SBF)氏が提出した「裁判が不公平だったとして有罪判決を破棄すべき」とする控訴に対し、明らかに懐疑的な姿勢を示したと報じられた。
控訴審、SBF氏有罪破棄主張に疑問符
控訴審では、SBF氏が2022年のFTX破綻後に起訴され2023年11月に7件全ての詐欺・共謀罪で有罪判決を受け、禁固25年の刑が科された点が審理対象となっている。
同氏側は、地裁での裁判過程において重要な証拠が排除されたとして、有罪判決は不当であると主張した。
米連邦控訴裁判所第2巡回区の3人の判事で構成される合議体は、公判から除かれた証拠が評決に与えた影響をめぐり、控訴理由が判決を覆すに足るものか疑問視した。
具体的には、判事のMaria Araujo Kahn氏が弁護人Alexandra Shapiro氏に対して「証拠の十分性自体を争わないのであれば、有罪認定に足る証拠があったことを認めるか」と問いかけた。
弁護人側は、仮に証拠が十分でも、それは地裁判断の誤りが“無害”だったとは限らない(証拠が十分でも、手続きの公正さが欠けていれば判決は不当だ)と反論している。
検察側のNathan Rehn氏は、証拠はSBF氏が顧客資産を横領・不正流用したことを圧倒的に裏付けていると主張した。
司法取引に応じた協力証人らを指し、「4人が不正資金の存在を知っており、そのうち3人がSBF氏と共謀したと証言した」と説明した。
判決次第で変わるWeb3の未来 透明性強化とリスクのはざまで
SBF氏の控訴審が棄却される方向で進めば、暗号資産業界にとって大きな転換点となる可能性がある。
特に、「不正や共謀行為への法的責任が実際に問われる」という事例が確立されれば、Web3業界における信頼回復や投資家保護の強化につながるだろう。
これにより、透明性や内部統制の徹底を掲げる企業が評価され、市場の健全化が進む展開も期待できる。
一方で、過剰な規制強化が進めば、スタートアップや新興プロジェクトにとって大きな負担となり得る。
訴訟リスクやコンプライアンス対応のコストが増大すれば、資金調達や開発活動が鈍化する懸念も残る。特に、米国当局の動きは各国の規制方針にも波及するため、柔軟な対応力が求められそうだ。
今後は、控訴審の結論次第でグローバルな暗号資産市場の姿勢が変化する可能性がある。
もしSBF氏の主張が一部認められた場合、司法の透明性や被告人の防御権を巡る議論が再燃するだろう。
逆に、判決が維持されれば、各国規制当局が「顧客資産の厳格管理」を再度徹底する流れとなり、Web3エコシステムはより制度的成熟へ向かう展開も考えられる。
関連記事:
FTX返金プログラム始動 破綻後の顧客保護に向けた新たな試み

FTX債権詐欺の新手口 AIディープフェイクで企業を欺く巧妙な手法とは












