ソフトバンクとOpenAIが合弁会社「SB OAI Japan」設立 AI経営支援ソリューション「クリスタル・インテリジェンス」を展開へ

2025年11月5日、ソフトバンクグループとOpenAIは、AIによる企業経営変革を目的とした合弁会社「SB OAI Japan合同会社」を発足した。
2026年より日本国内でAIソリューション「クリスタル・インテリジェンス」を独占的に展開する。
AI活用による企業の経営支援へ 合弁会社「SB OAI Japan」発足
ソフトバンクグループ(ソフトバンク株式会社およびソフトバンクグループ株式会社)とOpenAI Group PBCは、AIの社会実装を加速させる新会社「SB OAI Japan合同会社」を設立した。
目的は、OpenAIの先進的なAI技術を活用し、日本市場に最適化された経営支援ソリューションを提供することにある。
同社が展開する「クリスタル・インテリジェンス」は、OpenAIのエンタープライズ向けの最新プロダクトと、日本市場に最適化された導入支援・運用サポートを組み合わせたAIソリューションで、企業の生産性向上と経営効率の最大化を支援する。
OpenAIのエンタープライズ向け製品群をベースに、導入から運用までをSB OAI Japanが一括サポートする仕組みだ。
2026年の正式展開に先立ち、ソフトバンク株式会社が最初の導入企業として自社業務での実証を進め、開発ノウハウの蓄積を図る。
すでにソフトバンクグループ内では、約250万個のカスタムGPT(※)が作成されており、AIを業務全体に組み込む「AIネイティブ」を推進している。
OpenAI CEOサム・アルトマン氏は「ソフトバンクグループとの合弁会社は、日本を皮切りに、世界の有力企業へ先進的なAIを提供していくというOpenAIのビジョンを加速させる、重要な一歩となります」とコメント。
孫正義会長も「SB OAI Japanの発足により、AIエージェントが協調し自律的に業務遂行する世界が実現していきます」と語った。
※カスタムGPT:OpenAIのChatGPTを企業や業務目的に合わせてカスタマイズしたもの。
「業務効率化」から「経営変革」へ AI統合がもたらす企業進化の兆し
「クリスタル・インテリジェンス」は、AIを単なる業務支援ではなく、経営戦略そのものに統合することを目指しているとみられる。
最大のメリットは、各企業が個別にAIツールを導入するよりも、統合的な運用によって生産性と意思決定の精度を同時に高められる点にあるだろう。
一方で、企業文化や既存システムとの適合、データセキュリティなど課題も多いと考えられる。
特に、AIによる経営判断がどこまで人間の監督下に置かれるべきかというガバナンス設計が、今後の議論の中心となっていく可能性がありそうだ。
それでも、日本企業におけるAI導入の加速は避けられないとみられる。
SB OAI Japanのモデルが定着すれば、生成AIの活用は「業務効率化」から「企業変革」へと進化していく可能性が高い。
OpenAIの技術とソフトバンクの事業基盤が融合することで、日本発のAI経営モデルが世界に波及する展開も期待できるだろう。
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