地権者直結の不動産AI「WHERE」、新機能「ENERGYアップデート版」で再エネ用地探索を効率化

2025年10月31日、国内スタートアップ 株式会社WHEREは、10月1日にリリースした不動産AIツール「WHERE」の新機能群「ENERGYアップデート版」が、再生可能エネルギー事業を手がける企業に10社以上導入されたと発表した。
環境インフラ領域の用地選定プロセスが変革の兆しを見せている。
衛星データ×行政情報で再エネ用地探索をワンストップ化
株式会社WHEREが提供する不動産AIツール「WHERE」は、今回の「ENERGYアップデート版」で農地・森林・ハザード等の行政データを統合し、探索候補地の抽出と同時にリスクスクリーニングを実行できる機能を実装した。
再生可能エネルギー開発においては、用地選定段階で農地法・森林法・都市計画法・防災関連法など複数の法規制確認が必要であるが、これらの情報が行政機関ごとに散在しており、現地調査・自治体確認に多大な労力を要していた。
WHEREのアップデート版では、青地・白地情報、農地地目、森林地域、保安林、洪水・土砂災害ハザードなどを地図上にマッピングし、除外条件として設定することが可能になっている。
また、導入企業からは「複数条件を重ねて包括的に探索できることで、案件の掘り起こしや候補地の拡大が見込める」「これまで人手と時間を要していた候補地探索が短時間で完結するようになった」との声が上がっている。
特に、太陽光発電や蓄電池用地の開発を手がける企業では、用地仕入れ体制の効率化が課題とされてきた。
WHEREのAI支援型探索により、「用地探索」と「法規制確認」を一元化し、探索結果の共有までを一貫して行える点が評価され、導入が進んでいる。
今後、WHEREは追加の除外条件の実装、ユーザーの声を反映した機能拡充を予定している。
効率化の波及とリスク管理強化がもたらす再エネ開発の次の一手
本アップデート導入後、導入企業ではリスト作成に費やしていた時間を営業活動へ再配分する動きが出始めている。
これは、従来時間を要していた候補地リスト作成や法令確認の工程が大幅に短縮されたことで、営業段階や地権者アプローチにリソースを振り向けやすくなったためだと考えられる。
メリットとしては、案件発掘の拡大、スピーディな意思決定、属人化リスクの軽減などが挙げられるだろう。
一方で、リスクとしては、AIによる候補地抽出の精度と実地確認とのギャップ、データ整備の範囲や更新性の限界、そして法令・地域事情の個別性をAIが完全に代替できない可能性がある。
WHEREが、再エネ・インフラ事業者の現場における「初期検討のボトルネック」を解消するサービスとして定着すれば、用地取得の競争構造にも変化をもたらすだろう。
特に、用地仕入れの効率が収益性に直結する太陽光発電・蓄電池事業では、再エネ開発のスピードと収益性を左右する要素になりそうだ。
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