KLab、AIアイドル×ファン共創で進化型IP発表 SNS投稿を反映する新エンタメ

2025年10月27日、国内ゲーム・エンタメ企業の KLab株式会社は、AIとファンの共創による新たなエンタメプロジェクト「ゆめかいろプロダクション」を発表した。
AIアイドルとファンがともに作品を育てる“#みんプロ”を開始する。
KLab、AI×ファン共創型AIアイドル事業「ゆめかいろプロダクション」設立
KLabは、生成AI技術を活用した次世代エンターテインメント構想「KLab AI Entertainment」の第1弾として、ゆめかいろプロダクションを設立した。
同プロダクションでは、AIが創り出す「AIアイドル」をIP(※)として展開し、音楽、映像、ストーリー構築などを多面的に展開していく。
また、既に第1期生となる5名のAIアイドルのビジュアルも発表されており、ファン投稿をAIが学習して反映する共創モデル「みんながプロデューサー(#みんプロ)」が始動している。
本企画では、ファンがSNSで「#みんプロ」「#ゆめかいろ」などのハッシュタグを付けて投稿することで、その内容がAI学習へ反映され、アイドルの個性や物語の方向性にも影響を与える仕組みとなっている。
さらに、収集された学習データをキャラクターの「DNA」として記録し、進化の履歴を確認可能とする構造も予定されており、ファン参加によるIP育成のプロセス自体をエンターテインメントとして位置づける構想となっている。
本件は日本国内向けの展開だが、KLabは将来的な国内外展開も視野に入れている。
※IP:知的財産(Intellectual Property)の略。
キャラクター・ブランド・映像・音楽などの創作物が持つ価値を指す。
AI×ファン共創が生む“進化型IP”の行方
AIとファンの共創による新たなアイドルモデルは、ファンの創作意欲を引き出し、IPビジネスの裾野を広げる契機となりそうだ。
AIがファンの投稿内容を学習することで、リアルタイムなフィードバックが可能となり、従来にはない参加型エンタメ体験を生み出すとみられる。
これにより、ファンのロイヤリティが高まり、結果的に長期的な収益基盤の形成につながる可能性がある。
一方で、AIによる学習の透明性や公正性を担保する体制づくりは避けて通れない課題となるだろう。
投稿データがどのように反映されるか、またその成果物がどこまでファンの創作として扱われるのかといった線引きは、運営側の責任が問われる領域であると考えられる。
過剰な商用化やファン層の分断が発生すれば、かえってブランド価値を損ねるおそれもある。
今後は、KLabがどのようにファンとの距離感を設計し、AI技術・クリエイティブ・コミュニティ運営を一体化させていくかが焦点となるだろう。
AIアイドルが単なる実験的試みにとどまらず、持続的な“進化型IP”として確立できるかどうかが、国内外のエンタメ業界における成否を左右することになりそうだ。
KLab ニュースリリース:
AIとファンでアイドルを創る『ゆめかいろプロダクション』第1期生を発表!「みんながプロデューサー(#みんプロ)」スタート
日本初!AIとファンが共にアイドルを創る KLab、AI×エンタメの新領域に挑む『ゆめかいろプロダクション』始動
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