「FPL」のIEOが調達目標10億円を突破 エンタメ×Web3参入に変化

2025年10月23日、国内の暗号資産(仮想通貨)取引所 コインチェック が、同社のIEOプラットフォーム「Coincheck IEO」において、エンタメ関連企業 ファンプラ が発行するトークンFPLの購入申し込み総額が、調達目標の10億円を突破したと発表した。
FPLのIEO、21日開始から2日で10億円突破
ファンプラが発行するトークン「FPL」は、10月21日よりコインチェックのIEO枠で販売申込を開始した。
その後、購入申し込み総額が10億円の調達目標を早期に突破したと、同社が10月23日に公式発表している。
FPLは国内IEO案件として9例目、コインチェックにおけるIEOでは4例目となる。
同トークンは、ファンプラ社が展開する「ファンプラシステム」や、今後ローンチ予定の「ファンプラマーケット(Fanpla Market)」にて、デジタルアセットやチケット購入に使用できる予定だ。
販売条件としては、発行上限100億枚のうち10%にあたる10億枚を販売、1FPLあたり1円、1口=1万FPL、販売口数10万口とされている。支払い通貨は日本円である。
販売申込は11月4日正午まで実施され、申込終了後に抽選が行われる予定だ。
また、11月11日にはコインチェック上で取扱い開始予定である。
※IEO(Initial Exchange Offering):暗号資産取引所が発行体のトークンを引き受け、販売・流通のサポートを行う資金調達モデルのこと。
FPLが切り開く「エンタメ×Web3」新時代
FPLのIEO成功は、エンタメ業界がWeb3技術を実需ベースで取り込む転換点となり得る。
トークンをファン体験の中に組み込み、応援や参加そのものを価値化する仕組みは、従来の投資型トークンとは異なる可能性を示したといえる。
ファンプラマーケットの展開が順調に進めば、アーティスト活動の資金循環やファンエンゲージメントの在り方を根本から変える事例となりそうだ。
しかし、エンタメ領域の特性として、人気の浮き沈みやイベント成否がトークン価値に直結するリスクも考えられる。
短期的な話題性に依存する構造が続けば、価格変動が激化し、市場の信頼性を損なう懸念がある。
今後は、規制と透明性を両立しながら、ユーザーが安心して参加できる環境を整備できるかどうかが重要になるだろう。
FPLが安定した利用シーンを確立し、ファンが主体的にコンテンツ制作や運営に関与できるようになれば、エンタメ×Web3の融合は一過性ではなく、持続可能な産業モデルとして定着していく可能性がある。
関連記事:
Coincheck、ファンプラのIEOを10月21日開始 音楽×ブロックチェーンの新潮流

金融審議会、暗号資産の金商法化に慎重論 委員がIEOの壊滅的実績を問題視

SBIとTWIN PLANETが資本業務提携 NFT・STO活用でクリエイター経済圏創出へ












