金融庁、無登録暗号資産取引所を宣伝するX投稿にリプライで警告

2025年10月22日、金融庁運営のX(旧Twitter)アカウント「金融庁金融トラブル注意喚起情報」が、無登録で運営される暗号資産(仮想通貨)取引所を宣伝する複数のXアカウントに対し、注意喚起を行った。
無登録取引所宣伝のXアカウントに金融庁が直接警告
金融庁の運営する「金融庁金融トラブル注意喚起情報」アカウントが、国内で登録されていない暗号資産取引所を宣伝する複数のXアカウントに対し「取引をしないよう」リプライ形式で注意喚起を実施した。
対象には、 Money Charger(今年3月警告)、 MIDORI FX(今年5月警告)、 LBank・ MEXC・ Bitget(今年6月警告)といった海外取引所系ブランドが含まれている。
ただし、金融庁はこの注意喚起投稿が「返信先アカウント=無登録業者である」ことを確定するものではないと明示しており、あくまで一般的な注意を呼びかけるものであると説明している。
なお、注意喚起を受けた一部アカウントが投稿を削除していることが確認されている。
本件は、暗号資産市場における無登録業者への対応および投資家保護の一環として、金融庁が注意喚起を強化する動きの一つとみられる。
SNS時代のリスク管理 金融庁が示す新たな監視モデル
今回の金融庁による注意喚起は、無登録の暗号資産取引所に対する明確な抑止策として一定の効果を持つ可能性がある。
特に、投資家が「登録の有無」を判断基準として意識する契機となり、SNS時代における金融リテラシー向上につながる点は大きなメリットになると考えられる。
行政が直接SNS上で反応する手法は、従来の通達型から能動的なリスク管理への転換を示すものであり、情報伝達の即時性と実効性を兼ね備えた対応として評価できるだろう。
一方で、こうした動きには副作用もあると考えられる。
SNSの特性上、文脈が切り取られることで誤解や過剰反応が拡散する恐れがある。
また、規制強化の風潮が広がれば、国内Web3関連企業が宣伝活動を行う際の自由度が制限され、海外事業者との競争上の不利につながる懸念も拭えない。
今後は、金融庁を含む規制当局がSNSを介した勧誘や広告の監視をさらに高度化させると考えられる。
特に、インフルエンサーやプロジェクト発信者の発言に対しても透明性の基準を設け、「登録状況の明示」や「公的監督下での広告表現」が新たなルールとして求められていく展開が予想できる。
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