米ビットマイン、イーサリアムを追加取得 暗号資産供給量2.7%を保有

2025年10月20日、米上場企業の BitMine Immersion Technologies(ビットマイン)が、暗号資産 Ethereum(ETH)の追加取得を発表した。
これにより同社のETH保有量は323万6,014 ETHとなり、全供給量の約2.7%を確保した。
ビットマインが20万3,826ETHを一気に取得し保有量を323万6,014ETHに
米ネバダ州ラスベガスに本社を置くビットマインは、10月20日の発表で直近1週間に20万3,826ETHを取得したと明らかにした。
これにより、10月19日時点の同社保有資産額は134億ドル(約2兆円)に達した。
発表によれば、保有資産の内訳はETH323万6,014 ETH、ビットコイン(BTC)192 BTC、さらに米上場企業 Eightco Holdings の株式持ち分が1億1,900万ドル(約180億円)、現金2億1,900万ドル(約332億円)となっている。
ビットマイン会長の Tom Lee氏は、同社のETH保有量が全供給量の約2.7%に達したと説明し、ETH供給量の5%保有を目指す「アルケミー・オブ・5%(Alchemy of 5%)」構想の折り返し地点を超えたとの見方を示した。
ビットマインの株式(ティッカー:BMNR)は米国のNYSEアメリカン市場に上場しており、世界の上場企業の中でETH保有量は第1位、暗号資産の総保有額では、BTCを最多保有する Strategy Inc. に次ぐ世界第2位に位置づけられている。
集中投資がもたらす影響とリスク ETH市場の舵取り役となるか
ビットマインによるETH大量保有計画から、明確な長期ビジョンが見て取れる。
資産を分散するのではなく、特定の成長基盤に集中投資することで、市場支配力と技術的影響力を同時に高められることは大きな利点だろう。
特にETHは、ステーキング(※)やスマートコントラクトを支える主要インフラであるため、流通量の一部を押さえることで、将来的にネットワーク報酬や流動性供給の主導権を握る可能性がある。
一方で、リスク要因も残る。価格変動による資産圧縮リスクに加え、供給量の数%を単一企業が保有することで、市場の価格形成に影響を及ぼす懸念がある。
さらに、規制強化の流れやETHステーキング報酬構造の変化が戦略に影響を与える可能性も否定できない。
今後は、取得ペースの調整とステーキング運用の透明化が鍵を握るだろう。
ビットマインが5%保有を実現する過程で、分散型金融(DeFi)との連携や、機関投資家との協調が進めば、ETH市場の構造自体を変える契機になり得る。
逆に、市場が過熱あるいは冷却すれば、戦略の再構築を迫られる局面も想定できる。
中長期的には、同社の動きがETH市場の健全な発展を左右する一因となりそうだ。
※ステーキング:証拠金を預け入れ、ブロックチェーンの運営に参加して報酬を得る仕組み。
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