モブキャストHDがSolana/NFTで社会貢献を可視化 SIP構想を実証フェーズへ

2025年10月17日、株式会社モブキャストホールディングスは、ブロックチェーン「Solana(ソラナ)」を活用した新構想「ソーシャルインパクトパスポート(SIP)」の実証フェーズへ移行したと発表した。
ファンの社会貢献行動を可視化し、企業成長と社会価値創出を両立させる循環型エコシステムを目指す。
モブキャスト、Solana基盤で「SIP構想」を始動 ファンの社会貢献を可視化へ
モブキャストHDは、ソラナ・トレジャリー事業の中核として「ソーシャルインパクトパスポート(SIP)」構想を推進する。
これは、ファンの応援活動や社会貢献行動をNFT(非代替トークン)などで可視化し、ファンの熱量を企業成長と社会的価値創出の両立につなげる仕組みである。
同社は今後3年以内に、グループ全体のソーシャルエンターテイメント&メディア事業をSIPで連携させる方針を示している。
第一弾として、子会社NINJIN株式会社が運営する競馬ゲームアプリ「オシウマ・ダービー・ブラッド」との連携を開始する予定である。
引退馬支援などの社会貢献活動を行うユーザーに対し、その行動をNFTとして可視化する機能を年内に実装予定だ。
また、NFT保有者には限定イベントや牧場見学といった特典を提供する構想もあり、エンターテインメントを通じた社会的アクションの循環を生み出すことを狙う。
モブキャストHDはこの取り組みを通じ、Solanaコミュニティの発展にも寄与するとしており、財務基盤の強化と社会的価値創出を両輪とした新たなWeb3モデルを構築する考えを示している。
「共感が価値になる」新たなWeb3経済圏の展望
SIP構想の最大の強みは、ファンの応援や行動が“社会的価値”として可視化される点にあると考えられる。
これまで消費行動に留まっていたファン活動が、社会貢献と接続されることで、応援の意味が再定義される可能性がある。
結果として、ユーザーのエンゲージメントはより長期的・能動的なものへと進化し、企業とファンが互いに影響し合う共創型の関係が生まれるだろう。
企業にとっても、社会性と経済性を両立させたブランド価値の向上が期待できる。
一方で、暗号資産やNFTを財務・経済活動に取り込む際のリスクは依然として大きいとみられる。
Solanaの価格変動はもちろん、法制度の変化や税務処理の不明確さが、持続的な運営を難しくするかもしれない。
また、社会貢献の可視化が誤って「功績競争」や「承認欲求の表出」と受け取られれば、構想の理念が損なわれる恐れもある。
今後は、理念と仕組みの整合性をいかに高めながら、透明性を維持した運営体制を築けるかが焦点になりそうだ。
SIP構想が同社の他事業や外部パートナーと連動すれば、「共感が通貨になる」新たなWeb3経済圏が拡大するだろう。
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