Coincheck、ファンプラのIEOを10月21日開始 音楽×ブロックチェーンの新潮流

2025年10月14日、コインチェック株式会社(東京都渋谷区)は、音楽業界向けの新トークン「ファンプラ(FPL)」のIEO(Initial Exchange Offering)を10月21日より開始すると発表した。
アーティストとファンの共創を促す独自の経済圏「Fanplaプロジェクト」の中核を担うトークンとして注目できる。
音楽業界初の共創型トークン「FPL」 700組超のアーティスト基盤を活用
今回、IEO(※)される「ファンプラ(FPL)」は、株式会社Fanplaが展開するWeb3型プラットフォーム「Fanplaシステム」上で利用される暗号資産である。
アーティストとファンが直接つながり、創作活動を支援し合う「Fanpla経済圏」を形成する構想だ。
本プロジェクトの最大の特徴は、国内最大級の音楽ファンネットワークを持つ株式会社Fanplusとの協業にある。
700組以上のアーティストと400万人超の有料会員を抱える同社の基盤を活用し、サービス開始直後からの市場浸透が期待される。
すでに複数の音楽事務所が初期パートナーとして参画を表明しており、トークンの発行・流通を通じて、ファンとアーティストの持続的な関係構築を図る。
さらに、FPLは単なる投資対象にとどまらず、ライブチケットや限定グッズ、メタバース上のデジタルアイテムの購入など、多面的なユーティリティを備える。
ファンの支援金を「アーティスト・トレジャリー」に積み立て、制作活動やイベント企画に再投資する仕組みも導入される予定だ。
こうした循環型トークノミクスにより、アーティスト活動の持続可能性を高める狙いがある。
※IEO(Initial Exchange Offering):暗号資産取引所を介して実施される新規トークン販売。
「共創型ファン経済」が拓くエンタメの新時代
FPLの最大の魅力は、ファンの熱量を経済的価値として還元できる点にあると考えられる。
投票や購入、イベント参加などの行動がトークンとして可視化されることで、アーティストへの支援がより実感を伴う体験となるだろう。
こうした「共創型」モデルは、従来のファンクラブに閉じた関係を超え、ファンが作品づくりの一部に関われる環境を整える可能性を秘めている。
その一方で、暗号資産の価格変動によるリスクは避けられない。
市場全体の調整局面では、FPLの価値も影響を受けることが想定できる。
また、トークン発行や二次流通に関する法的整備は依然として途上であるため、エンターテインメント領域特有の著作権や契約面の課題も浮上するかもしれない。
運営側には、透明性とガバナンスを両立させるバランス感覚が求められるだろう。
今後は、Fanplusが抱える400万人超の会員基盤を軸に、海外ファンや新進アーティストを巻き込む拡張戦略が進展する可能性がある。
Web3による所有と参加の融合が加速すれば、FPLは単なるトークンを超え、音楽・ファンビジネスを再定義する起点となるだろう。
日本発の「ファン経済圏」が、世界市場におけるエンタメ×ブロックチェーンの成功モデルとして注目を集める日も近いのかもしれない。
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