ビットマイン、イーサリアム保有量303万ETH突破 「5%構想」の折返し到達

2025年10月13日、米上場企業のビットマイン(BitMine)がイーサリアム(ETH)を大規模に追加取得し、総保有量を303万超に達したと発表した。
これにより同社はイーサリアム全供給量の2.5%超を保有することになった。
ビットマイン、ETH取得で世界最大の企業保有体制へ
同社は10月13日、数日にわたって20万2,037ETHを追加購入したと公表し、これによって保有額は134億ドル(約2兆円)レベルに膨らんだ。
公表時点での構成は、ETHが303万2,188ETH、ビットコイン192BTC、Eightco Holdings株式が1億3,500万ドル相当、現金が1億400万ドルという内訳になるとしている。
ビットマインの会長トム・リー(Tom Lee)氏は、現在の保有量がイーサリアム全供給量の約2.5%を超えたと説明。「Alchemy of 5%」構想の折り返し地点を突破したと述べた。
同構想は、イーサリアム全供給量の5%を企業として保有することを目標とした長期戦略である。
同社はNYSEアメリカン(NYSE American)に上場しており、公開企業としては最も多くETHを保有する企業との評価を得ている。
さらに、保有暗号資産の総額ランキングでは、ビットコイン重視の戦略を取るストラテジーに次ぐ第2位となっている。
また、同社株式(ティッカー:BMNR)は取引量が多い銘柄としても注目されている。
市場関心を裏付ける指標として、ファンドストラット(Fundstrat)によると10月10日時点の5日間平均出来高は35億ドル(約5,337億円)に達し、米国内株式の取引量ランキングでは22位に位置しているという。
ETH集中移行の恩恵とリスク── 今後の展開を視る
ビットマインがETHを大量保有する最大の利点は、資産価値の上昇を通じて財務基盤を強化できる点にあるだろう。
特にETHは、DeFiやNFTなど次世代のデジタル経済の根幹を支える通貨として機能しており、ネットワークの拡張とともに中長期的なリターンが見込まれる。
さらに、自社株を活用した柔軟な資金調達も可能となり、成長投資への再投下を促す循環モデルを構築しやすいと考えられる。
一方で、リスクの存在も無視できない。
ETH価格のボラティリティは依然として高く、資産評価額の変動が業績に直結する構造的な脆弱性を抱えるとみられる。
また、「5%保有」を掲げる同社の戦略は、規制当局の関心を引きやすく、市場支配や価格操作への懸念を招くおそれもある。
金利上昇や資金需要の逼迫といった外部環境の変化も、調達コストやキャッシュフローを圧迫する要因となるだろう。
今後の焦点は、ビットマインがこの高リスク・高リターン構造をどこまで制御できるかにある。
保有ETHの運用やDeFi活用を通じて新たな収益モデルを確立できれば、同社はマイニング企業から「ブロックチェーン資産運用体」へと進化する可能性を秘めている。
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