SBI VCトレード、「ミャクーン!」NFT引き継ぎ発表 Web3ウォレットで保存

2025年10月9日、SBIホールディングス傘下のSBI VCトレードは、大阪・関西万博で配布されたNFT「ミャクーン!」を万博閉幕後も保管・閲覧できる引き継ぎサービスを正式発表した。
専用ウォレットを通じ、NFTを長期的に保持できる仕組みを提供する。
万博閉幕後もNFTを保管可能に SBIが「ミャクーン!」引き継ぎ支援
SBIホールディングスの連結子会社であるSBI VCトレードは、2025年10月13日に閉幕した大阪・関西万博の公式アプリ「EXPO2025デジタルウォレット」のサービス終了に伴い、同アプリで配布されたNFT「ミャクーン!」を同社の「SBI Web3ウォレット」へ移行できる引き継ぎサービスを開始する。
「ミャクーン!」は、万博記念として発行されたNFT付き画像で、これまでに約800万枚が配布された。
閉幕により従来アプリが終了するため、NFTを失効させずに保存できるよう、同社が移行環境を提供する形だ。
引き継ぎ手続きは、2025年10月14日から2026年1月13日までである。
期間中、利用者は①SBI VCトレード口座開設とウォレット作成、②専用サイトでの「引き継ぎID」発行、③ウォレット画面での申請入力を行う必要がある。
なお、未成年の場合は保護者による手続きが必要だ。
スムーズな移行のため、口座開設は早期の対応が推奨されている。
「NFT証明社会」への布石 SBIが描く次世代ウォレット構想
SBI VCトレードによるNFT引き継ぎサービスは、単発の施策にとどまらず、Web3時代における「デジタル資産管理の標準化」を進める契機になると考えられる。
今後、同社のウォレット基盤は、個人が保有するNFTを軸に、金融・エンタメ・行政など複数のサービスを連携させるハブとして機能していく可能性が高い。
たとえば、行政手続きやチケット認証、資格証明などを同一のウォレットで統合管理できるようになれば、「NFT=証明書インフラ」という新たな役割を担うだろう。
さらに、SBIホールディングスの金融ノウハウを背景に、NFTを担保とした融資やポイント還元といった金融連携サービスが展開される可能性もある。
これにより、NFTの保有価値が「体験の記録」から「経済的価値を持つ資産」へと拡張していく流れが強まるとみられる。
一方で、普及のためには法整備やリスク管理の仕組みづくりが不可欠であるため、金融庁をはじめとする規制当局との調整が次の焦点となりそうだ。
SBIの動きが、今後の日本型Web3エコシステム形成の試金石となるかもしれない。
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