吉野家の客席が「スマホ急速充電」に対応 アンカー製ケーブルを関東220店舗に導入

2025年10月10日、吉野家は関東エリアの全客席にアンカー・ジャパン製の急速充電ケーブルを設置すると発表した。
食事中にスマートフォンを充電できる環境を整備し、利便性向上とブランド体験の強化を狙う。
牛丼とスマホを同時に“チャージ” 吉野家が全席にAnkerケーブル設置
吉野家はアンカー・ジャパンと連携し、関東エリア約220店舗の全席で充電対応を進める計画を明らかにした。
すでに39店舗で実証導入を完了しており、今後、順次拡大していく予定だ。
なお、一部店舗では未設置の客席がある場合もある。
設置されるのは、シリコン素材で柔らかく絡みにくい「Anker PowerLine III Flow USB-C & USB-C ケーブル」。
充電ボックスには最大67W出力に対応した電源タップを備え、スマートフォンやタブレットの急速充電(※)が可能だ。
さらにマグネット式ホルダーで使用後のケーブルをスマートに収納できる設計となっている。
アンカー・ジャパンの猿渡歩CEOは「スマホの充電は1日3回の食事と同様に生活に欠かせない行為になった」と語り、吉野家という生活密着型ブランドでの展開が「少しでも便利&快適な生活をお届けできるようサポートして参ります」とコメントした。
※急速充電:通常より高い電圧・電流を用いて短時間でバッテリーを充電する技術の総称。
利便性から“体験価値”へ デジタル時代の外食モデル
吉野家の全席充電設備導入は、外食業界における「デジタル・ホスピタリティ」の進化を示す動きとして注目できる。
今後は、単なる付帯サービスにとどまらず、顧客とのデジタル接点を再設計する起点となる可能性が高い。
たとえば、充電中のスマートフォンを通じて店舗アプリが自動起動し、来店者に限定クーポンやおすすめメニューを提示するような「行動連動型マーケティング」への展開が考えられる。
また、充電履歴や滞在時間といった匿名データを解析することで、店舗ごとの混雑予測やメニュー開発に活かせる可能性もある。
今後、Wi-Fi接続やスマートオーダー、AIによる注文補助などを連携させれば、顧客体験の全体最適化が進むだろう。
特に、モバイル決済の比率が高い都市型店舗では、「食事×デジタル体験」を軸にしたブランド再構築が加速するとみられる。
一方で、設備維持コストや長時間滞在リスクといった懸念も残る。
これらを克服し、データと顧客満足を両立できるかが次の焦点となるだろう。
アンカー・ジャパン ニュース:https://corp.ankerjapan.com/posts/577
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