GUGA、「生成AIパスポート試験」のシラバスを改訂 最新モデル・AI新法に対応

2025年10月1日、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)は、資格試験「生成AIパスポート」のシラバスを改訂し、2026年2月開催の試験から新内容を適用すると発表した。
最新AIモデルや法制度改正に対応し、AI人材育成の基盤を強化する狙いだ。
GUGA、生成AIパスポートを全面改訂 最新技術と法制度を反映
GUGAは、生成AIの進化に合わせ「生成AIパスポート試験」のシラバスを大幅に改訂した。
生成AIの安全な活用とリスク予防を目的とする同試験は、受験者数で国内最大級(※1)を誇り、企業や個人のAIリテラシーを可視化する仕組みとして広がりを見せている。
今回の改訂では、ChatGPTシリーズのGPT-o1からGPT-5までの進化や、Gemini、Claude、Copilotなど主要モデルを網羅。画像・動画生成AIなど、生成技術の多様化にも対応した。
加えて、RAG(Retrieval-Augmented Generation※2)やAIエージェントの仕組み、ユースケースを新項目として追加し、実務でのAI活用力を高める内容となっている。
さらに、2025年3月改訂の「AI事業者ガイドライン(第1.1版)」および、同年6月公布の「AI新法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)」にも対応。
法的観点や倫理的配慮を重視した構成へと改めた。
これに伴い、新シラバス対応の「生成AIパスポート公式テキスト 第4版」が同日より販売開始された。
あわせて、有資格者向けの「生成AIパスポート資格更新テスト」も刷新される。
2026年2月より、動画学習とオンラインチェックテスト(IBT方式)を組み合わせた新形式で実施され、AIリテラシーの最新化を証明するオープンバッジが発行される。
※1:2025年9月時点の生成AI関連資格試験受験者数に基づく。
※2RAG(Retrieval-Augmented Generation):外部データを検索し、生成AIの回答精度を高める仕組み。
AIリテラシーの標準化へ前進 学び続ける人材育成が焦点
今回のシラバス改訂は、生成AIが日進月歩で進化する現状に対応した教育体制の再設計といえるだろう。
GPT-5やRAGといった最新技術の理解を促すことで、現場ではAIの安全活用と業務効率化を同時に実現できる可能性が広がると予想できる。
特に企業にとっては、社員のAIリテラシーを可視化し、採用・研修・配置といった人材戦略に直接結びつけられる点が大きな利点となりそうだ。
一方で、技術進化に合わせた頻繁な改訂は、受験者の学習コスト増加や教育機関のカリキュラム更新負担といった課題も伴うとみられる。
AIスキルを社会基盤として浸透させるには、企業・教育機関・行政が連携し、継続的な支援体制と学習リソースを整備することが不可欠だろう。
今後、GUGAの取り組みは「AIを安全かつ効果的に使いこなす力」を新たな基礎教養として社会に根付かせられるかを試す重要なステップとなりそうだ。
AI新法の施行により倫理性と透明性が一層求められるなか、生成AIパスポートは国内におけるAIリテラシー標準化の中核的存在として発展していく可能性が高い。
生成AI活用普及協会 プレスリリース:https://guga.or.jp/2025-10-01/1100-1
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