「Eternal Crypt – Wizardry BC -」が12月15日でサービス終了 ゲーム内通貨の販売も一時停止に

2025年10月1日、ブロックチェーンゲーム「Eternal Crypt – Wizardry BC -(エクウィズ)」が12月15日16時をもって全サービスを終了すると公式ブログで発表された。
同時に、国内取引所コインチェックはゲーム内通貨ブラッドクリスタル(BC)の販売を一時停止した。
サービス終了の背景とユーザー資産への影響
「Eternal Crypt – Wizardry BC -」の終了は、パブリッシャーであるドバイ拠点のZEAL NOVA社の解散に伴い決定された。
終了後はゲーム内ウォレットへのアクセスが不可能となり、残存アセットは利用できなくなる。このため、ユーザーは期日までに外部ウォレットへの出金を完了させる必要がある。
NFTについては、一部はサービス終了後も保持可能だ。
「Adventurer Genesis Collection(AGC)」を含む冒険者NFTは、終了前に外部ウォレットへ移せば画像やメタデータが確認できる。
一方、その他のNFTは一定期間を過ぎると画像が表示されなくなる可能性がある。
また、発表と同日にコインチェックはBCの販売を一時停止した。
理由は、エクウィズ終了による市場流動性への不透明感が高まったためである。
同社は2023年にNFTコレクションの販売を支援し、2024年10月にはBCの国内取扱いを開始していた経緯がある。
エクウィズは1981年に米国で誕生したRPGシリーズ「ウィザードリィ」の世界観を踏襲し、クリッカーゲーム要素とRPG戦略を融合させたタイトルである。
ドリコムがIPを保有し、チューリンガムと共同で開発、BOBGがBCを発行していた。
ブロックチェーンゲーム市場への影響と課題
今回のサービス終了は、国内のブロックチェーンゲーム(※)市場に波及的な影響を及ぼすと考えられる。
短期間での終了事例は、NFTやゲーム内通貨を保有するユーザーに資産移行の負担を課すだけでなく、投資家にとってもリスク要因として意識される可能性が高い。
特に流通量が限られるBCのようなトークンは、市場の信頼性と価格変動が直結しており、コインチェックによる販売停止もユーザー保護の観点から、やむを得ない判断だったと推測できる。
一方で、NFTの外部利用やAGCの保全が保証されたことは、ユーザーにとって一定の救済策となり得る。
今後は、ゲームサービス終了後もNFTをデジタル資産として保持し続けられる仕組みが、Web3市場全体で一層求められていくとみられる。
ただし、パブリッシャーの解散や、運営基盤の不安定さが即座にサービス終了へとつながるリスクは、業界構造に内在しており、これを回避するには透明性の高い運営体制や規制面での整備が欠かせないだろう。
資産を残せる道があることは、ユーザーに安心感を与えるものの、市場が持続的に拡大していくためには、信頼性の担保と制度設計が今後の成長を左右する重要な要素になると考えられる。
※ブロックチェーンゲーム:ゲーム内のアイテムや通貨をブロックチェーン上でNFTやトークンとして管理する仕組みを持つゲームの総称。資産性や取引可能性が特徴とされる。
エクウィズ お知らせ:https://wiz-eternalcrypt.com/news/1007
Coincheck お知らせ:https://corporate.coincheck.com/news/yDXGXSu1
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https://plus-web3.com/media/latestnews_1000_5490/











