デジタル証券、不動産STOで3億円資金調達 累計12億円に拡大

2025年9月25日、不動産STO事業を展開するデジタル証券株式会社(DS社)は、シリーズAラウンドの2ndクローズで総額3億円を調達したと発表した。
国内大手のSBIや三菱系企業が出資に参画し、累計調達額は12億円に到達した。
国内大手3社が参加 累計12億円に到達
DS社は、今回の資金調達でSBIホールディングス傘下のSBI Ventures Three、三菱商事、さらに三菱UFJキャピタルと三菱UFJ銀行が出資する「三菱UFJキャピタル10号投資事業有限責任組合」から出資を受けた。
これにより、累計調達額は12億円となった。
同社は、不動産を中心としたSTO(セキュリティ・トークン・オファリング ※)事業に注力しており、ブロックチェーンを活用した資産裏付け型のデジタル証券を発行する仕組みを提供している。
小口化や流動性の向上を実現し、10万円から投資できるデジタル証券サービス「レンガ(renga)」を展開している。
9月16日には、同サービスで個人投資家向けの第1号案件「デジタル証券『renga』第1号~レジデンス(北品川)~」の情報が公開された。
DS社は今後、日本初・国内唯一の「デジタル証券マーケットプレイス」を創出し、業界のナンバーワンプラットフォーマーを目指す。
※STO:ブロックチェーン技術を用いて不動産や株式などの資産を裏付けとしたデジタル証券を発行・販売する仕組み。
資金調達が後押しするSTO市場拡大と課題
今回の出資参画は、国内金融大手がデジタル証券市場の潜在力を見込んだ動きと捉えられる。
SBIや三菱系グループの資本流入によって、DS社の信用度は一段と高まり、案件調達や投資家層の拡大に向けた追い風となる可能性がある。
特に、これまで参入障壁が高かった不動産投資を小口化して提供できる点は、個人投資家にとって新しい投資機会を広げるだろう。
一方で、STO市場は発展途上にあり、法規制や投資家保護の制度設計が進む過程にあるとみられる。
デジタル証券の流動性確保や価格安定、プラットフォーム運営の信頼性といった課題は依然として残されており、特に一般投資家が安心して取引できる環境整備は、避けて通れないテーマだと考えられる。
今後は、DS社を含む業界全体がこうした課題にどう取り組むかが問われるだろう。
将来的には、金融機関や不動産事業者との協業が一層加速し、実際の案件数が増えることでSTO市場の存在感は確実に高まるとみられる。
今回の資金調達は単なる資本増強にとどまらず、日本のデジタル証券エコシステム拡大の起点となる可能性があり、今後の市場の成熟に向けた重要な契機となり得る。
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