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2025年9月26日、ソフトバンク株式会社はAI分野で挑戦するスタートアップ企業を対象に、AIモデルの開発や事業化を支援するプログラム「AI Foundation for Startups」を発表した。
提供開始は10月1日を予定し、計算基盤や協業機会を含む多角的なサポートを展開する。
3つの支援プランでAI事業化を加速
ソフトバンクは今回のプログラムを通じ、AIを活用するスタートアップの事業フェーズに応じた3つの支援策を用意した。
初期段階の企業には、NVIDIA製GPUを搭載した「DGX A100」システム1台を最大60日間無償で提供し、プロトタイプ検証を支援する。
開発段階にある企業には「DGX A100」と「DGX H100」を安価に提供し、PoC(概念実証 ※)の効率化を後押しする。
また、研究機関や親和性の高い企業とのマッチングも行い、協業体制の構築を促す。
さらに商用化を目指す成長企業向けには、ソフトバンク自身が出資を行いながら、販売チャネルや顧客ネットワークを活用した市場展開を後押しする仕組みを整えた。
これにより、単なる技術提供にとどまらず、事業拡大に必要な販売力や資金調達の側面まで網羅する点が特徴となる。
同社は子会社のSTATION Aiと連携し、日本最大規模のオープンイノベーション拠点「STATION Ai」に入居する企業にも本プログラムの活用を促進する方針を示した。
※PoC(概念実証):新しい技術やアイデアが実際に機能するかどうかを検証するための実験的取り組み。
国内AI支援の新局面 成長加速と課題の両面
ソフトバンクが打ち出した「AI Foundation for Startups」は、今後の国内AIエコシステムの成長を左右する試金石となりそうだ。
高性能GPU環境を段階的に解放し、研究開発から事業化までを一貫して後押しする仕組みは、スタートアップが持つスピード感を市場展開につなげる起点となる可能性がある。
さらに販売ネットワークや資本支援を組み込む点は、従来の技術支援を超え、事業の収益化を強力に支援する枠組みとして注目できる。
一方で、本プログラムを利用するには審査や資金計画の明確さが必要であり、すべての企業が参加できるわけではない。
また、ソフトバンクの流通網や資本に大きく依拠することで、自社独自の成長戦略が制限される可能性も否定できない。
ただし、外資系クラウドに過度に依存せず、国内の計算資源でAI開発を推進できる点は、データ主権やセキュリティ強化の観点からも大きな意義を持つだろう。
今後は地方企業や研究機関がこの仕組みを活用し、地域発のイノベーションを創出する動きが拡大する可能性がある。
結果として、首都圏中心だったAI産業の裾野が全国へと広がり、国内市場における持続的なAIエコシステムの形成に寄与する展開が期待できる。
ソフトバンク プレスリリース:https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2025/20250926_01/
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