ビットマイン、総資産1.6兆円超に拡大 ETH保有量は世界上場企業で首位

2025年9月23日、米国NYSEアメリカン上場のビットマインイマージョンテクノロジーズは、総保有資産が114億ドル(約1.6兆円)に到達したと発表した。
同社のイーサリアム(ETH)保有量は241万枚を超え、世界の上場企業で首位の規模となる。
ビットマイン、ETH241万枚超を保有し世界首位
ビットマインによると、9月21日時点での保有資産の内訳は、イーサリアム241万6,054ETH、ビットコイン192BTC、現金3億4,500万ドル(約510億円)、さらに米ナスダック上場企業エイトコ・ホールディングスへの1億7,500万ドル(約258億円)の持分投資で構成されている。
特にイーサリアム保有量は、世界の上場企業の中で圧倒的な首位となった。
これにより、暗号資産総額ランキングでは、ビットコインを中心に巨額保有する米ストラテジーに次ぐ第2位に位置づけられている。
同社の会長トム・リー氏は、現状のETH保有比率が市場全体の2%超であり、将来的には全供給量の5%保有を目指す考えを示した。
なお、ビットマインは9月8日にエイトコへ2,000万ドル(約29.4億円)の追加投資を実施したことを明かした。
これはエイトコによる2億7,000万ドル規模のPIPE(※)の一環である。
※PIPE:Private Investment in Public Equityの略。上場企業が特定の投資家に対して新株や転換社債を発行することで資金を調達する手法。
ビットマインのETH集中戦略が示す可能性と懸念
ビットマインが総資産1.6兆円超を公表し、ETH保有量で世界首位に立ったことは、デジタル資産市場における存在感を鮮明にしたと言えるだろう。
イーサリアム全供給量の2%を超える241万ETH超という規模は、上場企業の中で際立つ集中度を示す。
同社会長が全体の5%保有を目指すと語った点も、中長期的にイーサリアムを主軸とする姿勢を裏付ける発言と考えられる。
この戦略が市場に与える影響は大きく、需給関係の変化を通じて価格上昇や安定化を後押しする可能性がある。
投資家心理に与える刺激も無視できず、追随する資金の流入を誘発する効果が期待できる。
しかし一方で、資産の大部分を単一銘柄に依存するリスクは高いとみられる。
価格急落時には資産評価額が大幅に減少する恐れがあり、規制強化の動きも逆風となり得る。
大規模保有企業には市場操作や透明性確保の観点から厳しい監視が及ぶと考えられるため、安易な拡大は危うさも伴うだろう。
それでも、この動きは上場企業による暗号資産活用の新たな象徴であり、他社の追随が進むか否かは今後の焦点となりそうだ。
市場全体でETHの存在感がさらに高まる可能性は否定できず、長期的な潮流を左右する契機になるのではないだろうか。
ビットマイン プレスリリース:
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