Notion、「Notion AIエージェント」を発表 ナレッジワーク自動化で新たな協働時代へ

現地時間2025年9月18日、米Notion Labsはサンフランシスコで開催された年次イベント「Make with Notion」で、最新バージョン「Notion 3.0」とともに新機能「Notion AIエージェント」を発表した。
Notion 3.0、AIが「仕事をこなす」時代に突入
Notion Labsは、ドキュメントやデータベースを統合するワークスペースとして普及してきた「Notion」において、AIエージェント(※)を導入した。
これまでのNotionは情報を整理・共有するためのツールにとどまっていたが、今回のアップデートでは、AIが人間に代わって実際の業務を遂行する点が最大の特徴だ。
新機能「Notion AIエージェント」は、会議の調整、資料作成、データベース更新、定期レポートの自動生成などをワークスペース内の情報を活用して完結させる。
さらに、SlackやGoogleドライブ、ウェブ検索からも必要なコンテキストを取得できるため、従来のアシスタント型AIを超えた「チームメイト」としての役割を果たす。
具体的には、複雑なタスクの処理を数分で終える効率性、複数ツールを横断した情報検索と分析、個々のユーザーに合わせたパーソナライズ機能が強みである。
ユーザーが「覚えておいて」と指示した内容は自動的にプロフィールに蓄積され、より自然な業務フローを実現する。
また、新しいMCPを通じてCursorやClaudeなど外部AIとの連携も可能となり、Microsoft TeamsやGmailといった主要ビジネスツールとの接続も強化された。
近日中には、特定業務に特化した「カスタムエージェント」の提供も予定されている。
※AIエージェント:人間が行っていた複数ステップの業務を自動で遂行するAI機能。
従来のアシスタント型AIと異なり、情報検索からタスク完了までを担う点が特徴。
日本企業が直面する人材不足解消の切り札となるか
Notion 3.0に搭載されたAIエージェントは今後、単なる業務効率化の枠を超えて「働き方の設計」を変革する可能性を秘めている。
日本企業にとって深刻な課題である人材不足や長時間労働への即効性ある対策として、AIが複数工程を自律的に処理する仕組みは大きな価値を持つだろう。
短期的には、バックオフィスや営業支援など定型業務の現場で導入が進み、従業員は創造的業務や戦略的判断に集中できる環境が整うとみられる。
中期的には「カスタムエージェント」による業界特化型の活用が広がり、金融や製造といった精緻な業務プロセスを持つ大企業に適した支援ツールとして評価が高まるだろう。
さらに長期的には、外部AIや主要な業務アプリとの統合が進み、企業の情報基盤における中核的存在へと成長する可能性がある。
ただし、普及に向けてはセキュリティ基準や法的枠組みの整備が不可欠であり、透明性と説明責任をいかに担保するかが問われ続けるとみられる。
テクノロジーのみならず制度や文化の進化が、AIと人間の協働時代を形作る鍵となるだろう。
Notion Labs Japan合同会社 プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000088144.html?utm_source=chatgpt.com
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