ユニクロ、UNIQLO Payを2026年1月で終了 支払い手段多様化で利用減少

2025年9月16日、ユニクロは独自決済サービス「UNIQLO Pay」を2026年1月に終了すると発表した。
支払い方法の多様化や利用状況の変化が背景にあり、利用者は今後QRコード決済やクレジットカードなど既存手段を利用することになる。
ユニクロ、独自決済「UNIQLO Pay」を終了へ
ユニクロは、2026年1月29日をもって「UNIQLO Pay」を段階的に終了する。
新規登録や支払い方法の変更は2025年10月14日までで、それ以降は新規利用ができなくなる。
実際の決済機能は2026年1月15日から順次停止され、最終的に1月29日で完全終了となる予定だ。
「UNIQLO Pay」は2021年に導入され、アプリに登録したクレジットカードや口座を通じて決済が可能なサービスとして展開されてきた。
しかし、ここ数年でQRコード決済やクレジットカードの利用が一般化し、顧客の決済選択肢が拡大。
利用頻度の減少を受け、サービスを終了する判断に至った。
ユニクロは、終了後も購入履歴の確認やクーポンの利用は継続可能であり、返品や返金は登録済みの決済手段を通じて行われると説明している。
また、登録済みの個人情報は2026年1月末以降、返品返金受付期間を経過した時点で削除される。
「UNIQLO Pay」はチャージ残高方式ではなく、クレジットカードや銀行口座に直接紐づけて支払う仕組みである。
そのため、返金対象となるチャージ残高は存在せず、利用者への金銭的な影響は限定的である。
決済撤退で問われるユニクロの顧客戦略
ユニクロが「UNIQLO Pay」を終了する判断は、短期的には顧客利便性を損なわず、企業にとっても運営コストを削減できる合理的な選択といえるだろう。
既存のQRコード決済やクレジットカードなど主流の決済手段を顧客が引き続き利用できるため、ユーザー体験への影響は限定的だと考えられる。
むしろアプリ内の購買履歴やクーポン配信といった機能を軸に、顧客接点を維持・強化する余地が広がると予想できる。
一方で、自社決済を通じた顧客囲い込みの強みが薄れる恐れがある。
他社が金融サービスやポイント制度を組み合わせて会員基盤を拡大しているなかで、ユニクロは決済領域を手放すことで戦略的に見劣りする可能性がある。
ただし、グローバル展開を進める同社にとっては、決済機能よりも共通アプリ基盤を通じたデータ活用こそが競争優位を生むと考えられる。
パーソナライズされた購買提案やオムニチャネル戦略の加速は、国境を越えた顧客体験の統一につながるだろう。
今後の課題は、金融機能を持たずとも「生活に密着する購買体験」を提供できるブランド価値をいかに打ち出すかであり、ここが成功の分かれ目になるとみられる。
UNIQLO お知らせ:https://faq.uniqlo.com/articles/FAQ/100006473
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