ステーブルコインとトークン化に連動 ビットワイズ、新ETFを米SECに提出

2025年9月16日、米暗号資産運用会社ビットワイズ(Bitwise)は「Bitwise Stablecoin & Tokenization ETF」を米証券取引委員会(SEC)に提出した。
ステーブルコインとトークン化の普及を背景に、新たな投資機会の提供を目指す動きだ。
ステーブルコインとトークン化の成長を捉える新ETF
ビットワイズが申請した「Bitwise Stablecoin & Tokenization ETF」は、同社が設計した「Bitwise Stablecoin and Tokenization Index」に連動する上場投資信託(ETF)(※)だ。
書類によれば、この指数は株式部分と暗号資産部分の二本柱で構成され、それぞれが全体の半分を占める仕組みとなっている。
株式部分には、ステーブルコインやトークン化のエコシステムに関わる企業群が採用される。
具体的には発行体、決済事業者、インフラ提供者、取引所、ブローカー、小売業者などが含まれ、事業関与度によってティア1からティア3まで分類される。
指数には主に時価総額上位のティア1およびティア2企業が採用され、必要に応じてティア3から最大10社が追加される仕組みだ。
組入比率には上限が設定されており、ティア1は15%、ティア2は8%、ティア3は3%までに制限される。
一方で暗号資産部分は、ステーブルコインやトークン化を支えるブロックチェーン基盤やオラクルなどのインフラを対象とし、暗号資産ETP(上場取引型金融商品)を通じて間接的にエクスポージャーを提供する。
なお、ETF自体は暗号資産を直接保有しない。
また暗号資産部分における最大構成銘柄比率は22.5%に上限が設けられている点も特徴だ。
ビットワイズは前日9月15日にも、暗号資産アバランチ(AVAX)の現物ETFについてS-1申請書をSECに提出している。
※ETF(上場投資信託):株式や債券、暗号資産などの指数に連動する投資成果を目指す金融商品で、証券取引所を通じて売買できる。
規制審査と市場拡大の行方を左右するETF承認の波及効果
ビットワイズが申請した「Bitwise Stablecoin & Tokenization ETF」は、ステーブルコインとトークン化市場の双方に効率的にアクセスできる新しい投資手段として注目できる。
今後の展望としては、まずSECの審査結果が最大の焦点となり、承認されれば他の運用会社も追随する可能性が高い。
ETFという規制下の枠組みを通じて、従来の投資家層がデジタル資産市場へ参入する契機となり得る点は大きいと考えられる。
一方で、ステーブルコイン規制の不透明さやトークン化資産の流動性不足といった課題は依然として残り、市場の安定性を左右する要因となるだろう。
中長期的には、規制整備が進むことでETFの信頼性は高まり、資金流入を通じて市場拡大の加速装置となる可能性がある。
ただし、期待ほど市場成長が進まなければリスク要因が強調される局面も想定されるため、投資家には冷静な判断が求められるだろう。
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