ジェイフロンティア「SOKUYAKU」、ビットコイン決済導入で医療ツーリズム強化

2025年8月28日、東証グロース市場上場のジェイフロンティアは、オンライン診療・服薬アプリ「SOKUYAKU」にビットコイン決済を導入する計画を発表した。
医療ツーリズム需要を背景に、同年10月をめどに機能実装を進める。
海外患者向けにBTC決済導入 医療ツーリズム市場を狙う
ジェイフロンティアは、オンライン診療と服薬指導を行うアプリ「SOKUYAKU」にビットコイン(BTC)決済を組み込む方針を明らかにした。
背景には、国境を越えて日本の医療を受ける「医療ツーリズム」の拡大がある。
国内市場は2029年に約1.9兆円に達すると予測され、外国人患者の受け入れ体制整備が急務とされている。
従来の国際送金には、高額な手数料や送金遅延、為替リスクといった課題がある。
同社はビットコインを導入することで、これらの負担を軽減し、海外利用者が円滑に日本の医療サービスを利用できる環境を整える狙いだ。
さらに、実装に向けて具体的な準備策を発表した。
2025年8月から9月にかけて1億円分のビットコインを取得し、準備資産として確保する。
また、子会社を通じて9月から1000万円を投じたマイニング事業を開始し、自ら仮想通貨を調達する仕組みも導入する。
これにより、決済検証を実地で進め、機能の安定稼働を目指す構えである。
暗号資産決済の定着は不透明 利便性と信頼性の両立が普及の条件
今回の取り組みは、医療サービスと暗号資産決済を結びつける試みとして注目できる。
今後は国際的な患者数が増えるにつれ、ビットコイン決済が送金手段の選択肢として広がっていく可能性がある。
特に送金速度や手数料の面で利点が示されれば、利便性を重視する利用者に支持されるだろう。
一方で、価格変動の激しさや規制の不透明さが障害となる展開も想定できる。
ビットコイン価格が急落すれば、決済手段としての安定性は揺らぎ、普及が停滞するシナリオも考えられる。
こうしたリスクを避けるため、ステーブルコインの導入や即時換金の仕組みが整えば、より持続的な利用環境が構築されるだろう。
もしジェイフロンティアの試みが安定的に機能すれば、他の医療機関やヘルスケア企業が追随し、アジアを中心に医療ツーリズム需要と結びついた暗号資産決済が拡大していく可能性がある。
逆に、規制当局が慎重な姿勢を強めれば普及は限定的にとどまることもあり得る。
最終的には、利便性と信頼性を両立できる仕組みをどこまで確立できるかが鍵となるだろう。
暗号資産決済が一過性の話題にとどまるのか、それとも新たな国際医療インフラへ発展するのかは、今後数年の制度設計と市場の受容度に左右されるとみられる。
ジェイフロンティア株式会社 プレスリリース:https://jfrontier.jp/pressrelease/90983/
関連記事:ビットコインでDMMポイント購入可能に UseBitcoinで販売を開始
https://plus-web3.com/media/latestnews_1000_4638/