神戸・育英高がメタバース授業導入 monoAI technologyが空間設計から支援

2025年7月28日、monoAI technology株式会社は、兵庫県神戸市の育英高等学校が実施するICT教育プロジェクトに対し、メタバースを活用した教育支援を行ったと発表した。
ZEPベースの2D空間に加え、monoNITEによる3D制作体験も提供されている。
育英高、ZEP基盤のメタバース空間で授業を実施
兵庫県神戸市に所在する育英高等学校が、ICT教育の一環としてメタバースを導入した。
育英高は、ICT教育の一環として「メタバース」を新たなテーマに掲げ、生徒一人ひとりが主体的に探究を深める中で、表現力や創造力を育むことを目指している。
本プロジェクトでは、monoAI technologyが空間構築から授業支援までを包括的に担当した。
導入されたメタバース空間は、韓国発の2Dメタバースプラットフォーム「ZEP(※)」をベースとした専用空間で、生徒が「のびのびと過ごせる温かい空間」をコンセプトに設計されている。
この空間には、教室エリアやイベントスペースのほか、生徒同士が自由に交流できるコミュニティルームも備えられており、授業や行事に限らず多目的に活用できる。
また、同校は「使う側」だけでなく「創る側」の視点を重視し、monoAIのメタバース制作支援サービス「monoNITE」を導入した。3Dデザインやモデリングの授業をカリキュラムに組み込むことで、生徒自身も技術を学べるようになっている。
※ZEP:韓国企業が開発した2Dメタバースプラットフォーム。アバターを使って仮想空間内を移動し、会話やイベント参加ができる環境を提供する。
創造力と主体性を育む場へ 教育現場での新たな可能性も
メタバースの導入は、教育現場に新たな価値をもたらす可能性を秘めている。
特に、仮想空間ならではの没入感や自由度を活かすことで、生徒同士が主体的に協働しながら学び合う「共創型の学び」が実現しやすくなる点は大きなメリットだ。
一方で、導入にはいくつかの課題も存在する。通信環境などのインフラ整備には初期コストがかかり、導入に慎重な教育機関も少なくない。
とはいえ、monoAIのような専門企業が伴走型で支援する体制が整いつつある今、これらの課題は徐々に克服されていくだろう。
今後は自治体や教育委員会による制度的支援が進むことで、メタバースを活用した教育は地方の小規模校にも波及していくと考えられる。
物理的な制約を超えて、専門家や他校の生徒とつながりやすくなることは、学習機会の地域格差を是正する手段として注目できる。
将来的には、メタバースが“新たな教育インフラ”として定着し、学校教育の標準的な選択肢の一つとなるかもしれない。