PwC Japan、ISO 42001準拠のAIマネジメント支援を開始 国際認証で透明性と信頼性を強化へ

2025年7月25日、PwC Japanグループは、企業が人工知能(AI)を安全かつ信頼性の高い形で活用するための国際標準「ISO/IEC 42001」に準拠したAIマネジメントシステムの構築支援サービスを開始すると発表した。
認証取得から運用までを一貫してサポートする。
ISO 42001対応のAI管理体制を包括支援
PwC Japanは、ISO 42001に対応したAIマネジメントシステムの構築・運用支援サービスを本格展開することを発表した。
提供内容には、認証取得に必要な書類の整備や社内体制の構築支援、模擬審査による改善指導のほか、認証後の継続的な運用・改善サポートも含まれる。
ISO 42001は、組織がAIを安全かつ責任を持って活用するためのルールをまとめた国際規格である。
AIの方針づくりからリスク管理まで、AIシステムの開発・運用に関わる内容を網羅しており、全10章にわたって必要な取り組みが示されている。
2025年7月には、認証を行う審査登録機関向けのガイドライン「ISO 42006」も発行され、国内外で認証取得の動きが活発化しつつある。
PwC Japanでは、まず対象企業の現状把握とギャップ分析を行い、リスク評価や運用プロセスの策定、教育プログラムの実施などを通じて、組織に根ざした実効性ある仕組みの導入を支援する。
法務・セキュリティ・データガバナンスなど各分野の専門家が連携することで、実務に即した多面的なサポートが可能になるという。
AI活用の信頼基盤を強化 PwC支援でガバナンス整備を後押し
PwC Japanが開始したISO 42001に準拠したAIマネジメント支援サービスは、企業がAIを信頼性高く活用するための基盤整備を後押しする取り組みといえる。
企業は外部への説明責任を果たしやすく、また、社会的信頼も獲得しやすくなるだろう。
PwCのような専門機関のサポートを得ることで、企業単独では難しい法務対応やデータガバナンスも整備しやすくなることも大きな利点だ。
ISO 42006のような関連制度の整備により、こうした仕組みの導入は一層促進されそうだ。
一方で、認証取得や運用体制の構築には一定のコストや負荷が伴うと予想できる。
ドキュメント整備だけでなく、組織横断の調整や従業員教育、継続的な改善活動が求められるため、導入効果がすぐに表れにくい面もあるだろう。
中小企業にとっては、リソース面でのハードルが高い可能性もある。
とはいえ、AIが経営や業務に深く関わる今、透明性や説明責任を確保するためのフレームワークは不可欠となるはずだ。ISO 42001は、こうした要請に応える手段となりうる。
PwCの支援サービスは、信頼性のあるAI運用体制を目指す企業にとって、有効な選択肢の一つとして今後注目されるだろう。