ソラナ上で拡大するポケモンカードNFT市場 140億円超の取引高に

2025年7月24日、ブロックチェーン「ソラナ(SOL)」上で流通するトークン化ポケモンカードの市場が急成長していると、データ分析プラットフォームDuneの寄稿者zkayape氏が報告した。
これまでに累計9,500万ドル(約140億円)を超える取引が確認されている。
NFT化されたポケカ、1人あたり240万円の高額取引も
ソラナブロックチェーン上では、物理的なポケモンカードをNFT(※)としてトークン化し、取引可能にする新たな市場が拡大している。
中心となっているのは「Collector Crypt」というプラットフォームで、トークン化カードの売買に加え、日本のガチャ文化を取り入れた抽選機能も人気を博している。
Collector Cryptでは、これまでに月間平均で120万ドル以上の収益をあげており、ユニークウォレット3,004件によって累計4,950万ドル(約72億円)以上の「ガチャ」取引が行われた。1人あたりの平均支出額は約1万6,500ドル(約240万円)にものぼる。
他にもEmporiumやPhygitalsといった新興プラットフォームが参入し、ガチャ関連だけで5,000万ドル(約73億円)以上の取引が確認された。
特にEmporiumでは「マリオピカチュウ」が1万1,300ドル(約165万円)で落札され、Collector Cryptでは「ポンチョを着たピカチュウ」が9,300ドル(約136万円)で取引された実績がある。
zkayape氏は、トレーディングカードのトークン化市場はまだ新興セクターながら、デイリーアクティブユーザー(DAU)あたりの支出額が極めて高いとも指摘した。
※NFT(非代替性トークン):改ざん不可能な所有証明として機能するブロックチェーン上のデジタル資産。

非公式NFT市場の成長と限界 問われるIP保護と信頼性の確立
ソラナ上のNFT型ポケモンカード市場は、今後のコレクション文化を大きく変える可能性がある。
NFT化により所有権が明確になり、取引の透明性も確保されるため、改ざんや二重取引のリスクが低減する。
さらに、自動取引によりオークションなどより迅速かつ効率的な売買が可能となっている。
一方で、知的財産権の問題は依然として大きな課題だ。
ポケモンという世界的IPを無許可で利用した形でのNFT流通は、今後訴訟リスクやサービス停止の可能性を孕む。
任天堂や株式会社ポケモンが動けば、市場構造が一変する事態も否定できない。
また、NFT市場における詐欺や資産の盗難被害といった、Web3特有のセキュリティ課題も依然として深刻である。
今後この市場が持続的に成長するには、IPの公式化や法整備、セキュリティ対策が不可欠だ。
実物カードと連動した新しい体験が広がる可能性もあるが、非公式市場のままでは限界がある。
信頼性の高い仕組み作りが、今後の成否を左右するだろう。