SBIとTWIN PLANETが資本業務提携 NFT・STO活用でクリエイター経済圏創出へ

2025年7月18日、SBIホールディングスとエンタメ事務所TWIN PLANETは、資本業務提携に向けた基本合意書を締結したと発表した。
Web3技術を活用し、NFTやSTOを通じたクリエイター支援の新事業を共同で展開する構えだ。
SBIとTWIN PLANETがWeb3領域で協業を開始
SBIホールディングスとTWIN PLANETは、タレント・IP領域と金融・デジタル基盤を融合させたWeb3事業の創出に向け、資本業務提携を結ぶと発表した。
今回の合意により、両社はNFTやSTO(※1)などの技術を活用し、IPコンテンツの収益化支援や新たなファン参加型モデルの確立を目指す。
SBIホールディングスは、5400万超の金融顧客基盤を持ち、SBIネオメディアホールディングスを通じてメディア事業を展開している。
一方、TWIN PLANETは「新しい学校のリーダーズ」をはじめとするタレント・クリエイターを多数擁し、IPプロデュースやイベント運営などで実績を重ねてきた。
提携の中心には、両社の強みをかけ合わせたデジタルコンテンツの共同開発がある。
SBIが保有するWeb3技術やトークンインフラと、TWIN PLANETの企画力・ネットワークを組み合わせ、新たな経済圏を築いていく方針だ。
両社は今後、NFTやIEO(※2)に加え、アルバムやライブイベントを対象としたSTOによる資金調達の仕組みを導入する予定である。
これにより、ファンがIPの成長に投資という形で関与し、リターンを得る「応援経済」の形成が進むとみられる。
※1 STO(セキュリティ・トークン・オファリング):ブロックチェーン上で発行される有価証券型トークンを通じた資金調達手法。
※2 IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング):暗号資産取引所を通じて暗号資産を発行し、資金を調達する手法。
「応援」から「共創」へ── NFT・STOが切り開く新たなファン参加型経済モデル
SBIとTWIN PLANETの資本業務提携は、Web3を基盤とした新たなクリエイター支援の枠組みを構築しようとする意欲的な試みとみられる。
NFTやSTOなどのトークン技術を活用することで、従来の広告モデルやファンクラブとは異なる「投資型ファンエンゲージメント」の実現が視野に入っていると考えられる。
ただし、法規制や投資リスクに関する課題も無視できない。
STOやIEOは金融商品としての性質が強いため、今後は投資家保護の観点から制度整備が求められる可能性が高い。
また、NFTの収益モデルの持続性や価格変動リスクについても、慎重な対応が必要となるだろう。
今後は、トークンが単なる投資商品ではなく「共感価値」を伴う仕組みへと進化できるかどうかが注目できる。
ファンが経済的支援者であると同時にプロジェクトの共創者として関与できる設計(たとえばDAO的な意思決定プロセスの導入や、NFT保有者限定のイベント開催など)が、参加価値を高める上で重要になると予想される。