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AIデータセンター向け光半導体に革新 ザインが「DSPレス」で高速・省電力化を実現へ

2025年7月9日、ザインエレクトロニクスは、AI向け次世代光半導体「DSPレス」技術の開発が、NICTの研究プロジェクトに採択されたと発表した。
完全なアナログ伝送により、信号品質を保ちつつ大幅な省電力と低遅延を実現する。

目次

AI時代に最適化された高速・省電力光半導体を開発

ザインエレクトロニクスは、AIデータセンター内の通信基盤を革新する光半導体技術の開発を行う企業だ。
今回、同社のDSPレス(※1)光トランシーバー技術が、情報通信研究機構(NICT)の研究開発プロジェクトに採択された。

研究開発プロジェクトの期間は2025年度から2027年度末までの3年間で、国からは約6億2255万円の支援が交付される。

対象となるのは、送信側の「VCSEL(※2)ドライバー」および受信側の「TIA(※3)」と呼ばれる光通信の要素技術である。
ザイン独自の「ZERO EYE SKEW」アナログ伝送方式を活用することで、DSPを介さずに高速かつ安定した信号伝送を可能にする。

これにより、PCI Express 7.0や6.0とVCSELを組み合わせ、最大2.0TB/秒の高速通信を、低遅延・低消費電力・高密度・低コストで実現できる見通しだ。
従来方式に比べ、遅延時間は90%、消費電力は73%削減されるという。

開発対象は次世代AI基盤を想定したデータセンター内通信であり、今後の大規模AIモデルの運用効率向上にも寄与する可能性がある。

※1 DSPレス:デジタル信号処理回路(Digital Signal Processor)を使わずにデータ通信を行う方式。

※2 VCSEL:垂直共振器面発光レーザー。半導体レーザーの一種で、小型で発光効率が高く、消費電力が少ないうえ、指向性や応答速度にも優れているため、光通信分野で広く利用されている。

※3 TIA(Transimpedance Amplifier):受信した微弱な光信号を電気信号に変換し増幅する回路。

電力と遅延を削減 AI時代の光通信インフラを再定義

今後、生成AIの普及とともにデータセンター内部のトラフィックは急増し、帯域と消費電力の最適化が喫緊の課題となるだろう。
こうした状況において、DSPを排したアナログ光伝送は、省電力かつ高効率な通信手段として再評価が進む可能性がある。

ザインが開発を進める光半導体は、デジタル処理を必要としないため、回路設計が簡素化され、製造コストも抑えられる。また、電力消費が小さく冷却負荷も軽減できる点は、AI向けハードウェアとして大きな優位性を持つ。

一方で、アナログ伝送は設計難易度が高く、信号の安定性確保や誤差補正の高度なノウハウが必要とされる。
ザインは「ZERO EYE SKEW」と呼ばれる独自技術によりこうした課題への対応を図っているが、アナログ方式ならではの微調整や製造上のばらつきに対する耐性については、今後の実装過程で再検証が必要になる可能性もあるだろう。

生成AIの急速な普及に伴い、AIモデルの訓練および推論における演算処理の増加は避けられず、それに伴う通信量と電力負荷も急増している。
こうした背景のもと、ザインのDSPレス光半導体は、次世代データセンターにおける基盤技術の一角を担っていくとみられる。

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