NTTなど通信8社、大規模災害時の連携強化へ 被災地の通信復旧支援を情報共有で迅速化

2025年7月1日、NTTグループやKDDI、ソフトバンクなど通信事業者8社は、大規模災害発生時における通信インフラの早期復旧を目的に、事業者間での支援情報の連携体制を同月より強化すると発表した。
8社が連携、災害時の通信復旧支援体制を強化
NTT株式会社、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルなど通信事業者8社は、2025年7月より、大規模災害時における被災地支援の情報共有を開始すると明らかにした。
今回の発表は、各社が参画する災害時の通信支援体制強化の共同取り組み「つなぐ×かえるプロジェクト」の枠組みに基づき、2024年12月から段階的に整備されてきた。
具体的には、避難所に提供する無料Wi-Fiや充電サービスの提供状況、問い合わせ先の情報などを相互に共有し、支援内容の重複や抜け漏れを防ぐ。
これにより、被災者が円滑に通信環境を確保できる体制を整えると同時に、各社の対応負担も分散されると期待される。
参加企業は、NTT株式会社、NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、NTTドコモビジネス、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの計8社。
自治体が実施する防災訓練やイベントにも共同で参加し、本体制の周知と実践訓練を進めていく構えだ。
連携体制で迅速な支援へ 課題は情報共有の即時性
今回の通信事業者8社による連携強化は、災害時の通信復旧という社会インフラの最重要領域において、業界横断で協調体制を築く点に大きな意義がある。
従来は各社が独自に支援を展開していたため、対応の重複や支援漏れが発生しやすかったが、今後は支援内容を可視化・共有することで、より効果的かつ効率的な支援が実現可能となる。
特に、避難所への無料Wi-Fi提供や充電設備の情報をリアルタイムで共有できれば、通信が絶たれた地域において、生命線となる連絡手段を早期に確保できる点は重要だ。
一方で、情報共有の即時性と正確性をどう担保するかが大きなハードルだ。
災害発生直後の混乱時に、各社の設備状況や支援状況をリアルタイムで把握し、反映させるには、システムの高度な連携と運用ノウハウが求められるだろう。
とはいえ、本取り組みが成功すれば、通信業界にとどまらず、物流・小売・医療など他業種にも連携モデルが広がる可能性がある。
災害時の復旧力と社会全体のレジリエンス向上が期待される。