Preferred Networks、社内業務に特化した生成AI基盤を提供開始 社内データ活用と自動化を一手に担う

2025年6月24日、Preferred Networks(PFN)は、企業向け生成AI基盤製品「PreferredAI Work Suite」を発表した。
社内データの統合活用や業務の自動化を可能にするエンタープライズ特化型の製品で、今後の導入拡大が注目される。
生成AI基盤「Work Suite」発表 社内情報を統合活用
Preferred Networksは6月24日、エンタープライズ向け生成AI基盤「PreferredAI Work Suite」の提供を開始したと発表した。
同製品は、企業内に点在するデータの活用と業務の自動化を目的に開発されたもので、チャット、ワークフロー、ストレージなどを含む統合ツール群で構成される。
特徴の一つは、PDFやWord、Excel、PowerPointのほか、Markdown、HTML、画像、音声など多様な形式のファイルを蓄積・検索できる点だ。
これにより、従業員は部署横断でのナレッジ活用が可能となる。
また、Microsoft SharePointやSalesforceといった外部サービスとの連携も可能で、自然言語による問い合わせやリサーチ、申請処理、資料作成などを自動で行うAIエージェントを構築できる。
社内ドキュメントとの連携によるチャット形式の質疑応答やノート作成、文章推敲、翻訳といった実用機能も搭載されており、日常業務への密着度の高さが際立っている。
全社導入も視野に 業務変革の加速とリスクへの備え
PreferredAI Work Suiteは、企業におけるAI活用の実装を加速させる存在になりうる。
特に、全社的な業務効率化とナレッジマネジメントの高度化を図る企業にとっては、有力な選択肢となるだろう。
PFNは、導入支援サービスとして、業務プロセスの洗い出しや、課題ヒアリングからPoC(概念実証)、PoC(※)の結果に応じたカスタマイズ、導入・運用フェーズまでの一貫支援を提供する。
これにより、自社の業務内容に即した形でAIを活用できる体制が整うと考えられる。
一方で、生成AIが扱う社内情報の取り扱いや、外部サービスとの連携に伴うセキュリティリスクは引き続き注視すべき課題だろう。
情報漏洩や誤生成といったリスクに対する企業側の備えも問われる可能性がある。
今後はさらに、多様なデータ形式への対応やAPIによる外部システムとの連携強化が予定されており、既存IT環境との親和性も高まる見通しだ。
生成AIの導入が一部の部署にとどまらず、全社的な業務変革につながるかどうかが次なる焦点となるだろう。
※ PoC(Proof of Concept):新たな技術やアイデアの実現可能性を検証するための試験的な取り組み。導入前に効果や課題を明らかにする目的で行われる。