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    BBC、AI検索Perplexityに法的警告 無断コンテンツ使用と「逐語的複製」を問題視

    2025年6月20日、英公共放送BBCが、米AI検索エンジン「Perplexity」に対して法的措置を警告したことが明らかになった。
    BBCは同社が自社コンテンツを無断で「逐語的に」複製していると指摘し、停止措置と補償を要求している。

    目次

    BBCがPerplexityに法的措置警告、コンテンツ無断複製に抗議

    英BBCは、米スタートアップ企業Perplexityが提供するAI検索サービスに対し、自社コンテンツの不正使用を理由に法的措置を検討している。
    報道によれば、BBCはPerplexityのAIモデルがBBCのコンテンツで訓練されており、その回答内容が「逐語的に」BBC記事を複製していると主張している。

    この警告は、6月20日にFinancial Times(FT)が公開した書簡で判明した。
    BBCはPerplexityに対し、コンテンツのスクレイピング(※)を直ちに停止し、既存のBBC素材の削除と金銭的補償の提示を求めたという。

    BBCは公式コメントを控えているものの、FTの報道内容は事実であると認めている。
    一方、PerplexityはBBCの主張を「欺瞞的で便乗的」と反論し、BBCが技術や知財法に無理解であると批判した。
    加えて、今回の警告は「Googleの独占を守るための行動である」とも非難している。

    Perplexityは大規模言語モデル(LLM)を基盤としたAI検索サービスで、自然言語によるあらゆる質問に対し情報を要約して回答する機能を持つ。
    その性質上、信頼性の高いソースへの依存が不可欠とされている。

    ※スクレイピング:ウェブサイトから情報を自動的に抽出する技術。無断での使用は著作権侵害にあたる可能性がある。

    BBCの抗議が問う「AIの情報利用」 「対立」から「共創」への道

    本件は、報道機関が自社の知的財産をAIに利用されることへの懸念を強く示すものであり、今後の制度設計に一石を投じる動きである。

    現行の法制度では曖昧な部分が多く、AIによる情報の使用範囲に明確な線引きが存在しないが、BBCのような影響力のある報道機関が声を上げることで、AI企業と報道機関の間でルールの明文化が進む可能性は高いだろう。

    一方で、AI技術の発展と報道機関の共存が難しくなる懸念もある。
    報道機関がAIによるコンテンツ使用を一律に拒否すれば、ユーザーへの情報アクセス機会が限定され、情報の偏在や閉鎖性につながる可能性がある。

    今後は、AIと報道機関が「対立」ではなく「共創」の枠組みを築けるかが焦点となるだろう。今回のBBCの動きは、その出発点かもしれない。

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