OpenAIとバービー人形のMattelが提携 “AIの魔法をもたらす”製品が年内に発表予定

現地時間2025年6月12日、米OpenAIは、バービー人形などで知られる玩具大手Mattel(マテル)と戦略的提携を発表した。
Mattelブランドに基づいたAI搭載製品を共同開発し、年内に第1弾の発表を予定している。
AI搭載の新製品を共同開発、年内に第1弾
OpenAIとMattelは、Mattelが展開するおもちゃブランドにAIを組み込んだ新製品や体験の開発で協力する方針を明らかにした。
Mattelは今回の提携について「プライバシーや安全性を重視しつつ、年齢に応じた遊び体験にAIの魔法をもたらす」と説明しており、親子双方が安心して利用できる仕組みを重視している。
第1弾となる製品は、2025年後半に発表される予定だ。
具体的な内容は明かされていないが、対話型機能を備えたバービー人形や知育玩具などが考えられる。
さらに、Mattelは自社の業務にもOpenAIの「ChatGPT Enterprise(※)」などの生成AIツールを採用することを発表した。
製品開発から運用の工程でAI導入を加速させていく構えだ。
※ChatGPT Enterprise:OpenAIが提供する法人向け生成AIサービス。高度なセキュリティ、管理機能、データの処理能力を備える。
AI玩具市場が拡大へ 子ども向け安全性が焦点に
今回の提携は、生成AIの商用活用が玩具分野にも本格的に波及し始めたことを示す象徴的な事例である。
音声認識や自然言語処理を活用した“話す人形”や“学習支援ロボット”は、すでに市場の関心を集めており、今後さらに高度な対話能力や個別対応機能が求められるとみられる。
一方で、懸念されるのは子ども向け製品におけるデータ保護や倫理的設計の徹底だ。
年齢に応じた情報制御や不適切な発言の防止機能など、AIが人間の感性に関わる領域に入ることで、開発企業には一層の責任が求められるようになるだろう。
Mattelはこれまでにも、教育性や社会性を備えた玩具開発に注力してきた。
OpenAIとの連携が成功すれば、AI技術を活用した次世代玩具のスタンダードが確立され、玩具業界全体のトレンドを塗り替える可能性が高い。
参考:Mattel社公式発表
https://corporate.mattel.com/news/mattel-and-openai-announce-strategic-collaboration