ソラナ基盤「TRUMP」仮想通貨に疑義 トランプ家がミームコインを否定

2025年6月4日、トランプ前大統領の名前を冠した仮想通貨ウォレットの事前登録サイトが公開された。
同プロジェクトに関し、トランプ氏の息子3人が相次いで関与を否定し、声明を発表している。米国発のこの動きは、仮想通貨業界に新たな論争を呼んでいる。
トランプ家、ウォレット開発との関与を完全否定
「TRUMP」名義の仮想通貨ウォレットがソラナ(Solana)基盤で開発されているとの情報が拡散する中、トランプ一家の関与を否定する声明が相次いだ。
トランプ家では、末子バロン氏を皮切りに、ジュニア氏、エリック氏の3人が相次いで「一切関与していない」と否定声明を出した。
今回公開された登録サイトは、ミームコイン「TRUMP」と連携し、NFTマーケットプレイス大手のMagic Edenとのパートナーシップで展開される予定だとされている。
しかし、このプロジェクトとトランプ家との関係性には一切の裏付けがなく、家族が火消しに走る格好となった。
TRUMPコイン運営 ブランド悪用リスクも
トランプ名義を利用したこのウォレット構想は、いわば“政治ブランド”と仮想通貨市場の融合を狙ったプロジェクトとも取れる。
特に、ドナルド・ジュニア氏が主導する「World Liberty Financial」との混同が起きていることから、ブランドの希薄化や消費者の混乱につながる恐れがある。
ジュニア氏は、「我々のプロジェクトとは一切無関係」とし、独自の公式ウォレットを近日発表予定であると強調した。
一方で、Magic EdenはX上でプロジェクトへの関与を発表しており、「GetTrumpMemes」アカウントも関連投稿をリツイートするなど、プロモーションが続いている。
こうした動きは、著名人の名前を無断使用する「ミームコイン」の拡大に拍車をかける恐れがあり、今後、法的・倫理的な課題が改めて問われる可能性がある。
※ミームコイン:インターネットミームや人物名をテーマにした仮想通貨。ユーモアや話題性を重視して作られる。