ノルウェー上場企業NBX、カルダノ基盤ステーブルコイン発行へ ビットコイン保有戦略も加速

2025年6月3日、ノルウェーの仮想通貨取引所で上場企業のNorwegian Block Exchange(NBX)は、カルダノ基盤のMiCA準拠ステーブルコイン「USDM」の欧州唯一の発行権を取得したと発表した。
これに合わせて、ビットコインを保有する新戦略も開始し、北欧地域でのデジタル資産活用を加速させている。
USDMの独占発行権を取得、ビットコイン活用で収益化
NBXは、カルダノブロックチェーン上で展開される唯一のMiCA(※)準拠ステーブルコインである「USDM」において、欧州唯一の発行権を獲得した。
併せて同日、NBXは新たにビットコイン(BTC)を保有する戦略を開始。初回割当にて6BTCを取得し、6月末までに10BTC程度までの保有拡大を予定している。
保有したビットコインは売却せず、USDMステーブルコインの発行担保資産として活用し、カルダノエコシステム内での収益創出に利用するという。
NBXは2018年に設立されたノルウェー金融庁認可の仮想通貨取引所で、世界初のBTCキャッシュバック付きクレジットカードの発行実績も持つ。
今回の施策により、同社はノルウェーで初めてビットコインを財務資産として保有する上場企業となった。
デジタル資産銀行化への布石 北欧で新ビジネスモデル確立なるか
NBXの狙いは、単なる仮想通貨取引所にとどまらず、ビットコインを担保にした収益モデルの確立と、デジタル資産銀行としての機能拡充にある。
同社はグローバル投資グループLDA Capitalとの資金調達枠契約を活用し、今後もBTCの追加取得を進める構えだ。
6月11日には、同社が主催するビットコイン保有戦略に関するイベントが開催予定で、投資会社や富裕層との間で追加資金の引き入れに向けた協議も進行中である。
USDMの発行権を持つことは、MiCA規制下での高い信頼性を裏付けるものであり、北欧諸国におけるデジタル通貨流通の起点となる可能性も高い。
ただし、ステーブルコイン市場は競争が激化しており、規制対応や市場流動性の確保といった課題も残されている。
NBXの取り組みは、仮想通貨と伝統金融の融合を模索する動きとして、欧州および北欧地域における先進的事例となるだろう。
今後の進展次第では、同様のモデルを追随する企業が現れることも十分に考えられる。
※MiCA:EUが制定した暗号資産市場規制「Markets in Crypto-Assets Regulation」の略称。