三井物産デジタルコモディティーズは、暗号資産「ジパングコイン(ZPG)」のパブリックチェーン展開を発表した。国内発のコモディティ連動型トークンが一般投資家に開放される。
ZPG、OP Mainnetで一般取引開始
三井物産デジタルコモディティーズは、これまでプライベート型ブロックチェーンで発行してきたジパングコイン(ZPG)を、パブリック型ブロックチェーンへ拡張すると、2026年4月17日に発表した。
基盤にはEthereumのレイヤー2である「OP Mainnet」を採用し、Fireblocksのトークン発行基盤を活用する構成となる。
これによりZPGは、2026年4月20日からGMOコインにおいて一般利用者向けの取引が開始される予定である。
OP Mainnetは、CoinbaseのBaseやSonyのSoneiumなど複数の企業が採用するレイヤー2である。Ethereumのセキュリティを継承するアーキテクチャ、主要企業による採用実績、法規制下にある暗号資産との親和性から、ZPG初のパブリックブロックチェーンに選定されたという。
またFireblocksは、2,400社以上の金融機関に導入される資産管理・発行基盤であり、機関投資家グレードのセキュリティとコンプライアンス対応に強みを持つ。
同社は今後、Solanaへの展開も予定しており、プライベートチェーンとパブリックチェーンを併用するマルチチェーン戦略を推進する方針である。
流動性拡大と規制対応の両立が焦点か
今回のパブリックチェーン展開により、ZPGの流動性と市場アクセスは大幅に拡張されるだろう。
個人投資家の参入が可能になることで取引量は増加し、コモディティ連動型という特性から分散投資ニーズの受け皿となる可能性もある。従来の閉じた環境からオープン市場への移行は、価格発見機能の向上にも寄与すると考えられる。
一方で、パブリックチェーン特有のリスクは無視できない。
匿名性の高い取引環境ではAML(※1)やトレーサビリティ確保が重要となり、規制遵守のための運用コストは増大する可能性がある。特に日本市場は規制の明確さと厳格さを併せ持つため、制度適合と利便性のバランスが問われる局面となるだろう。
今後、Solanaを含む複数チェーンへの展開が進めば、クロスチェーンでの流動性統合やDeFi(※2)との接続といった新たなユースケースが生まれるかもしれない。
企業主導のトークンが複数基盤で流通する構図は、伝統金融とWeb3の融合を加速させる一方で、その持続性はインフラ成熟度と規制設計に大きく依存すると言える。
※1 AML:マネーロンダリング防止。金融取引において不正資金の流入を防ぐための規制・監視体制を指す。
※2 DeFi:ブロックチェーン上で提供される分散型金融サービス。仲介者を介さず貸付や取引を行う仕組み。
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