SBIホールディングス傘下のSBI VCトレードは、2026年3月25日より「カントンコイン(Canton)」の国内初取扱い開始を目指すと発表した。機関投資家向けブロックチェーンであるCanton Network基盤の暗号資産が、日本市場への参入を目指す。
Canton基盤銘柄を国内初の取り扱い
2026年2月27日の発表は、SBIホールディングス連結子会社であるSBI VCトレードによるもので、SBI調べではカントンコインの取扱いは国内初となる見込みだという。
3月25日に取り扱われるカントンコインは、金融機関向けに設計されたCanton Network上で発行される暗号資産だ。
Canton Networkは2024年7月にメインネットをローンチし、Goldman SachsやBNP Paribas、Deutsche Börse、Microsoftなどが参画する金融特化型のブロックチェーンである。
トークン化証券やレポ取引、デジタル債券などの実証・実運用が進行しており、金融市場インフラとしての位置付けを強めてきた。
カントンコインの特徴としては、プレマイン(事前発行)型ではない透明性の高い発行設計や、「Burn-Mint-Equilibrium(※)」と呼ばれ高度な需給自動調整機構が挙げられる。
さらに、取引情報を関係当事者のみに限定する設計や、米ドル基準の手数料体系を採用するなど、企業利用を前提とした制度設計がなされている点も特徴である。
SBI VCトレードの近藤智彦社長は、カントンコインとCanton Networkについて、「次世代金融と伝統金融の融合をもたらし、新しいイノベーションを起こす可能性のある革新的な銘柄および技術」とし、日本市場における新たなイノベーションへの期待を示した。
※Burn-Mint-Equilibrium:ネットワーク利用時に手数料分をバーン(焼却)し、貢献者にのみ新規発行することで需給を調整する設計思想。
機関投資家市場への波及は
今回の取扱いが実現すれば、日本の暗号資産市場において機関投資家向けインフラ銘柄が直接アクセス可能になる。
従来のパブリックチェーン中心の市場構造に対し、規制準拠や機密性を重視したブロックチェーンが選択肢として加わる意義は小さくない。
一方で、ネットワークの利用拡大や実需創出が伴わなければ、トークン価値の持続性は不透明となる。
規制当局との連携や国内金融機関との具体的な接続事例が増えるかどうかが今後の焦点となるだろう。
機関投資家市場に軸足を置く同銘柄が、日本のWeb3戦略にどこまで組み込まれるかが今後問われることになりそうだ。
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