個人事業主の「合っているか」不安を解消 freeeがChatGPT内で税理士知見を直接検索

2026年2月17日、日本のフリー株式会社は、ChatGPT向けアプリ「freee確定申告」の提供開始を発表した。税理士が実際に回答した1万件超の相談データを検索し提示する仕組みで、生成AIの推測回答に対する不安軽減を狙う。
税理士1万件回答をChatGPTで参照
「freee確定申告」は、ChatGPT内のカスタムアプリ機能「Apps in ChatGPT(※)」に対応したサービスである。ChatGPT上で「@freee確定申告」と入力し、経費計上や控除に関する疑問を投げかけると、freeeが保有する税理士相談Q&Aデータベースから関連性の高い回答例を抽出して提示する。
参照対象は、税理士が実際に回答した1万件以上の相談事例だ。AIがゼロから文章を生成するのではなく、既存の専門家回答を検索し表示する構造を採る。回答者の氏名や所属も明示され、情報の出どころを確認できる設計となっている。
さらに、ChatGPT上で疑問を解消した後は、freee会計の確定申告機能や「入力おまかせプラン」を活用し、そのまま申告作業へ移行できる。必要に応じて税理士検索にも接続可能で、「相談」から「完了」までを一気通貫で支援する導線を整えた。
※Apps in ChatGPT:ChatGPT内で外部サービスや独自データベースと連携できる拡張機能。特定用途向けアプリを直接呼び出せる仕組み。
信頼性向上の利点と依存リスク
大きなメリットの一つとして挙げられるのは、生成AI特有の「もっともらしいが根拠が不明」という不安を抑制できる可能性がある点である。実在する税理士の回答を参照する仕組みにより、利用者は判断材料の裏付けを確認しやすくなると考えられる。個人事業主にとって心理的ハードルの高い確定申告を、より身近な体験へと変える余地がある。
一方で、提示されるのはあくまで過去事例であり、個別事情に完全適合するとは限らない。複雑なケースでは専門家への直接確認が望ましい場合もある。また、ChatGPTという外部プラットフォームへの依存度が高まれば、仕様変更や提供条件の変化が影響を及ぼす可能性もある。
それでも、専門家データと生成AIを接続するモデルは、税務領域にとどまらず法務や労務など高信頼分野へ広がる可能性がある。こうした参照型AIの活用が今後拡大するかどうかが、今後の注目点と言える。
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