Anthropic、「Claude」無料機能拡充 AI実務活用を後押し

2026年2月12日、米AI企業Anthropicが生成AI「Claude」の無料版を大幅拡充した。OpenAIがChatGPTの無料・低価格プランに広告を導入した直後の動きで、海外メディアが報じている。無料AIの競争軸が変わり始めた。
Claude無料版、機能大幅拡充
Anthropicは無料プランに、有料向け機能の一部を開放した。会話からPowerPointやExcel、Word、PDFを生成するファイル作成、外部アプリと連携するコネクタ、定型指示を自動化するスキルが追加された。
さらに、古い文脈を要約して長時間の対話を可能にするコンパクション(※)、画像・音声検索の強化、対話時間の延長も提供される。
背景には、OpenAIが無料・低価格プランで広告表示のテストを始めた動きがある。AnthropicはSuper BowlのテレビCMで広告非表示を打ち出し対抗姿勢を明確化した。これに対し、OpenAIのCEOSam Altman氏は、高度機能を有料限定にしないための方策だと説明している。
※コンパクション:長い会話履歴から重要な文脈のみを抽出・要約し、モデルの処理制限内で対話を継続できるようにする仕組み。長時間の業務利用やプロジェクト単位の会話に適する。
無料AI競争の利点とリスク
無料版の高度化は、導入コストを抑えたい企業や個人にとって追い風となる可能性がある。資料作成や情報整理、外部ツール連携まで無料で扱えれば、日常業務にAIを組み込むハードルは一段と下がるとみられる。広告の有無を含め、サービス選択の基準が機能へ移る可能性もある。
一方で、無料領域の拡張は収益構造の不安定化を招きかねない。広告、サブスクリプション、API課金のバランス次第でサービス仕様が変動する余地があり、ユーザー体験が将来的に揺らぐ可能性も指摘される。
今後は「無料でも実務に使えるか」がAI選定の核心になると考えられる。機能更新の速さと統合力が競争力を左右し、価格やブランドだけでは優位を保てなくなる可能性が高い。無料AIは実験段階からインフラへ移行しつつあるとみられる。
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