日立、Lumada 3.0成長に向け事業再編 米子会社を統合

日立製作所が、デジタル事業「Lumada 3.0」のグローバル成長を目的に、「GlobalLogic」と「Hitachi Digital Services」の統合計画を発表した。
米国子会社2社を統合し、Lumada 3.0を加速
日立製作所は2026年1月29日、デジタルシステム&サービスセクターのデリバリー体制を強化するため、米国子会社である「GlobalLogic」と「Hitachi Digital Services」を統合する計画を明らかにした。
両社のオペレーション統合は2026年4月に開始され、現GlobalLogic社長兼CEOのスリニヴァス(スリニ)・シャンカール氏が新組織を率いる。
Lumada 3.0は、日立が有するデジタル技術、ミッションクリティカル領域で培ったドメインナレッジ、世界規模のインストールベースを活用し、顧客や社会インフラのDXを推進する戦略だ。
今回の統合により、戦略策定から開発、運用までを一気通貫で提供するEnd to End体制が構築される。
両社のソフトウェア開発力やAI適用技術を融合させ、日立グループのOT(制御・運用技術)・プロダクト領域で長年培ってきたドメインナレッジを生かすことで、「カスタマーゼロ」アプローチを推進する。
さらに、日立グループの実績も取り入れることで、モビリティやエネルギー、インダストリー分野での課題解決に貢献する。
統合後の新組織では、GlobalLogicのVelocityAIやHitachi Digital ServicesのHARC(※1)を軸に、統一的な「AI Factory」を確立する計画だ。
※1 HARC:増大するクラウドのランニングコストを削減するマネージドサービス
「AI Factory」構想が生む競争力と統合リスク
今回の統合により、現場運用に即したAI開発からミッションクリティカル領域への実装・運用までをシームレスに提供できる点は、新組織にとって大きな強みとなるだろう。
一方で、組織規模の拡大に伴う意思決定の複雑化や、グローバル人材のマネジメント負荷増大といった課題も想定できる。
異なる企業文化の融合が進まなければ、スピード感が損なわれる可能性は否定できない。
また、AI活用が進むほど、品質保証や責任分界の明確化も重要な論点となるだろう。
それでも、フィジカルAI(※2)を中核に据えた今回の再編は、日立が掲げる経営計画「Inspire 2027」の実現に直結する動きと言える。
AIと社会インフラを結びつける実装力が定着すれば、Lumada 3.0は日立の成長エンジンとして次の段階へ進むだろう。
※2 フィジカルAI:AIを用いて現実世界の設備やインフラを認識・制御し、運用最適化や自律化を実現する技術概念。デジタルと物理空間を統合する点に特徴がある。
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