社内会議の言語壁が消える シャープが翻訳対応の議事録AIを投入

2026年2月3日、シャープは国内向けに議事録作成支援システム「eAssistant Minutes」の機能強化を発表した。独自エッジAIに翻訳機能を追加し、日英・日中の会議をネット接続なしで支援する。提供は2月中旬の予定だ。
翻訳・要約を端末内で一括処理
シャープは法人向け議事録作成ソリューション「eAssistant Minutes」に、日本語と英語、日本語と中国語(簡体)を双方向に翻訳する機能を追加した。
会議前に言語を選択することで、発話内容を自動認識し、リアルタイムに文字起こしと翻訳を表示する仕組みである。日本語の発言も選択言語へ同時に変換され、多言語会議の進行を補助する。
文字起こし、話者分離、要約生成、翻訳のすべては、本体に搭載されたエッジAI「CE-LLM(※)」で処理される。
クラウド接続を必要とせず、通信経路を介した情報漏洩リスクの低減につながる設計となっている。海外拠点との会議や機密性の高い社内会議でも活用しやすい構成だ。
また、操作性も見直された。文字起こしや翻訳、要約生成の開始などはWEBブラウザから実行でき、専用アプリを導入できない企業環境でも利用可能となる。加えて、複数人の発話を識別する話者分離の精度が向上し、声紋登録なしで発言者の整理ができるようになった。
既存ユーザーには無償アップデートとして提供される予定である。
※CE-LLM:シャープ独自のエッジAI技術の総称。端末内で文字起こし、翻訳、要約を実行する大規模言語モデルで、クラウド接続を伴わず機密情報を外部に送らない設計が特徴。
会議DX加速の利点と課題
今回の機能追加は、企業の会議運営の在り方を変える契機になる可能性がある。
翻訳、記録、要約が一体化することで、通訳や書記に依存していた業務の一部が自動化され、意思決定までの時間短縮につながると考えられる。
端末内処理という設計は、機密情報を扱う企業にとって導入の心理的ハードルを下げる要素になる。
一方で、翻訳精度や文脈理解の面では課題が残るとの見方もある。
専門用語や曖昧な表現が誤って解釈された場合、意思決定の精度に影響を及ぼす可能性が指摘される。
自動生成された議事録への依存が進めば、人による確認工程が簡略化され過ぎる懸念も否定できない。
今後は、エッジAIの処理能力向上とともに、会議データを企業内で完結させる需要が高まっていく可能性がある。
多言語会議の標準インフラとして定着すれば、国境を越えた協働が進む契機にもなり得る。
逆に普及が限定的にとどまった場合、翻訳精度や運用コストが新たな検討課題として議論される展開も想定される。
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